text & photo:三ツ矢健太
撮影日:’23.8.4
岡山…言うまでもなく中国地方・瀬戸内地方の一大都市であり、各方面との交通の結節点でもあります。山陽新幹線の岡山を通過する列車はなく「のぞみ」を含む全列車が停車。そして在来線では山陽本線が東西を貫き、四国方面に宇野線・本四備讃線が、山陰方面に伯備線・津山線が延び、さらに地域輸送としての赤穂線や吉備線も岡山を発着駅としています。
地方都市の中でもこれほどの路線網の要を占めている都市は希少と言えましょう。そして特筆すべきはこの在来線の多くで、今なお国鉄型車両が現役であるということです。
▲折よく、2編成しかいない湘南色の115系にも会うことができました。
↓これでもかと国鉄型車両が現れるトレインウォッチングの成果はこちら↓
電化路線のうち、本四備讃線(瀬戸大橋線)は、JR四国の特急車両も含めて100%JR型の車両での運行となっていますが、それ以外の山陽本線・赤穂線・宇野線・伯備線のローカル列車は113・115・105系が今なお現役。つい先日に新たに運用に入った227系500番代が充当される列車(まだ数としては少なく、滞在中には駅に現れませんでした)を除けば、100%国鉄型車両となっています。
▲写真奥が113系、手前が115系。
非電化路線の津山線と吉備線はキハ40系の独壇場となっており、その塗色も今は懐かしい湘南色に復元されています。
▲津山線のキハ40形2連。かつては地域独自の塗色が施されていましたが、今は大多数が首都圏色に復元されており、「国鉄メイク」車ばかりとなっています。
そしてこの地区の今の最大のスターが伯備線特急の「やくも」です。今や全国的に見ても国鉄型電車を使用する最後の特急列車となってしまいました。
▲撮影中には「ゆったりやくも」カラーの381系を見ることができましたが、他に国鉄特急色、「スーパーやくも」色の編成が活躍していることはご存じの通り。
▲「日本国有鉄道」「川崎重工」の銘板が確認できます。
▲多くの車両で行き先表示がLED化されていますが、一部に幕式のものも残っています。
駅滞在のおよそ1時間半の間、ほぼ途切れなく列車が発着し、その多くが国鉄型…これは夢か現か…まさに桃源郷的な状況を呈している今の岡山駅。トレインウォッチングするなら今しかありませんね…!
さて、その岡山地区に着目した新刊のムックが出来上がりました! 題して「ザ・ラストモーメント 381系「やくも」」。
381系の興味深い振り子装置の発達史と、後継の振り子車両たちを一覧できる記事を掲載。そしてこの「やくも」のラストワンとしての存在を珠玉のグラフでご紹介します。
◎主な新規記事
・読者傑作選グラフ…約500点におよぶ応募のあった読者作品から厳選。
・スペシャルギャラリー・381系「やくも」/EF64 1000の牽く貨物列車
・瀬戸大橋開通35周年、開業時回顧録
・津山まなびの鉄道館
◎主な再録記事
・日本の振り子車パイオニア381系
・走り始めた“WEST EXPRESS銀河”
・岡山、国鉄天国!
・岡山地区における国鉄型気動車の現況
ほか
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