185系

特集・コラム

各地で見つけた安住の地 湘南色の保存車両を見に行こう!

2023.02.07

各地に残る「湘南色」の車両はこちらで!


 国鉄の時代に各地で登場した地域色の中でも、「湘南色」は強い記憶とともに人々の心に残っています。第1部では湘南色の変遷、第2部では由来などをご紹介しましたが、今回は各地に残る保存車両、そして一風変わった湘南色の車両をご紹介しましょう。

 湘南色の保存車両は、第2部でご紹介した京都鉄道博物館の80系クハ86001・モハ80001と、しなの鉄道169系S51編成クモハ169-1・モハ168-1・クハ168-27。そして、リニア・鉄道館には111系近郊形電車のクハ111-1と、165系急行形電車のクモハ165-108・サロ165-106が展示されています。

 また、千葉県のポッポの丘には113系2000番代クハ111-2152の前頭部カットボディが保存されています。この車両は東海道本線で活躍したあと、2006年に房総線へ転用されて横須賀色に塗り替えられましたが、引退前に湘南色に塗り戻された経緯があります。


・千葉で余生を送る2両の湘南色

 さらに、ポッポの丘にはクモニ83006も保存されています。クモニ83形は荷物電車で、115系などの電車とも連結することができ、塗色を湘南色や横須賀色で合わせていました。クモニ83006は引退後に鉄道総合技術研究所へと譲渡されて、各種試験に使用。気動車のキハ30 15と連結して電車・気動車の協調運転試験も行いました。
 クモニ83006はその後東芝に譲られ、機関車の試験に使用されていましたが、2020年にポッポの丘に移設されました。

 なお、協調運転試験に使用されたキハ30 15も湘南色に塗られていました。ほかにも、山陽本線瀬野〜八本松間のセノハチと呼ばれる急勾配区間を登る153系、それを後押しするEF61形電気機関車の間に控え車として連結されたオヤ35形客車も、153系に合わせて湘南色グループの一員となっていました。ちなみに、オヤ35形を連結した理由は153系が密着連結器、EF61形が自動連結器と異なっていたためで、オヤ35形はアダプターとして使用されていました。


・天竜浜名湖鉄道には湘南色の気動車現る!

 JR東海で活躍していた湘南色帯の気動車は2015年に引退しましたが、2018年に天竜浜名湖鉄道が湘南色のTH2100形気動車「Re+(リ・プラス)」を登場させました。「Re+(リ・プラス)」の車体カラーは静岡のお茶の葉とみかんをイメージしたオレンジと緑で、まさに東海道本線で親しまれた湘南色。ファンの間では話題を集めました。

 ここ数年でJR東海211系5000番代・213系5000番代、JR西日本115系、しなの鉄道115系が引退しますが、JR東日本の211系(高崎地区)・E231系近郊タイプ・E233系3000番代は引き続き湘南色で残ると思われ、今後は地域色の意味合いが強くなりそうです。

 今も昔もファンからの熱い視線を集める湘南色の車両たち。天竜浜名湖鉄道のようなケースが今後も登場するのかなど、今後の展開が楽しみですね。

 

■こちらもぜひ!

第1部:まるでカボチャ? 国鉄の時代を象徴する「湘南色」ってどんな色?

第2部:「湘南らしくはないけれど…」最も有名な地域色の由来とは?

 

 

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