名古屋鉄道は、広見線(ひろみせん)新可児(しんかに)駅~御嵩(みたけ)駅間を2029年4月1日(日)で廃止することを発表した。
同区間については、沿線市町(岐阜県御嵩町・可児市・八百津町)が、みなし上下分離方式による鉄道存続協議を行っていたが、その協議が終了することを受け、同社は2026年6月25日に開催された取締役会において当該線区を2029年4月1日に廃止することを決議していた。そして、同決議を踏まえ、8月3日に沿線市町と2028年度末までの運営に関する協定書を締結したという。今後、8月4日に国土交通大臣へ廃止届出書を提出する手続きを進めるとのことだ。
これまで当該線区は、1920年に広見駅~御嵩駅間(現在の新可児駅~御嵩口駅間)で開業して以降、沿線住民の交通手段として地域の発展に貢献してきた。しかし、道路網の整備に伴うモータリゼーションの加速や、少子化・人口減少の進行により輸送人員の減少が続き、2007年に同社から沿線市町へ当該線区の現状報告を踏まえ、これ以上の維持存続が困難である旨を申し入れていた。
2010年以降、沿線市町と当該線区の運営に関する協定書を締結し、沿線市町の協力のもと利用促進に向けたさまざまな活性化策を行ってきたが、残念ながら利用者は減少し続け、コロナ禍による新常態の定着により、今後の輸送需要がコロナ禍前まで戻らない見込みであり、収支改善も見込めない状況にあった。加えて、設備の老朽化による抜本的な更新投資が必要な状況であるため、2023年に同社から沿線市町に対し、現行の方式による運行継続は困難であると伝え、持続可能な地域公共交通のあり方について協議を行ってきていた。
このような状況の中、沿線市町として「みなし上下分離方式による鉄道存続の方針」にて合意したことを確認し、2025年8月より2027年4月からのみなし上下分離方式への移行に向けた協議を沿線市町と進めてきた。その協議の結果、沿線市町としてみなし上下分離方式による鉄道存続の協議を終了する旨の発表がなされ、同社としても、これまでの経緯を通して、一民間事業者の自助努力だけで路線を存続させていくことは極めて困難であると判断したため、当該線区を廃止し撤退することとなった。

‘26.4.18 名古屋鉄道 広見線 御嵩〜御嵩口 P:越知俊行
(今日の一枚より)
■廃止する路線(区間)
広見線 新可児駅~御嵩駅間 7.4km
■廃止の予定日
2029年4月1日(日)
■廃止届出日
2026年8月4日(火)
■区間概要
・開業日
1920年8月21日 (全線開業:1952年4月1日)
・駅所在地(計5駅)
新可児駅 (可児市下恵土1丁目107番地)
明智駅 (可児市平貝戸26番地4)
顔戸駅 (可児郡御嵩町顔戸318番地3)
御嵩口駅 (可児郡御嵩町中473番地)
御嵩駅 (可児郡御嵩町中2302番地2)
・輸送人員 (2025年度)
784,785人/年
・輸送密度 (2025年度)
1,687人/日
・駅別一日平均乗降人員 (2025年度)
明智駅741人/日
顔戸駅176人/日
御嵩口駅247人/日
御嵩駅1,099人/日

