近鉄では、列車内の安全性向上と犯罪の抑止を目的として、すべての車両へ防犯カメラを設置すると発表した。2023年7月25日より順次、車内防犯カメラを搭載した一般車両の運行を開始し、2028年度までに全車両(約1,900両)へ設置することを計画している(一部の特急車両には、すでに車内防犯カメラ設置済)。
2024年度からは、車内防犯カメラの映像および音声を運転指令など遠隔で確認できるシステムの運用も開始する予定。さらに、乗客の方に安全に利用してもらうため、車両のリニューアル工事に併せて安全設備の設置も進めていく。車内の緊急時に乗務員と通話ができる装置(非常通話装置)については、1両につき1台から2台へ増設し、設置位置をわかりやすく案内するため、側扉横に非常用設備ご案内ステッカーを貼り付ける。また、車両を連結して運用する際に、連結部からの線路への転落防止のため、車両の先頭部に転落防止ほろを取り付ける。
車内防犯カメラを搭載した一般車両の第一弾となる1620系(C#1623ほか4両編成)。P:近畿日本鉄道
◎車内防犯カメラの設置
■設置車両:全車両(一部の特急車ではすでに設置、運用済)
■内容
・カメラ単体での運用開始(2023年7月から)
・カメラ映像、音声の確認システム(※)運用開始予定(2024年4月から)
・2028年度末までに全車両カメラ設置完了予定
※確認システムとは、携帯電話回線を使用し、運転指令などに映像を配信することで、車内の状況を確認できるシステム。
防犯カメラはドア上の鴨居部分に設置。P:近畿日本鉄道
◎非常通話装置の設置
■設置車両:リニューアル車両
■内容:車両リニューアル工事時に、乗務員と通話可能な非常通話装置を1両につき1台から2台へ増設。(2023年7月から)
非常通話装置とそのステッカー。P:近畿日本鉄道
◎先頭転落防止ほろの設置
■設置車両:リニューアル車両
■内容:車両リニューアル工事時に、先頭車両の連結部に転落防止ほろを設置(2023年7月から)。
先頭部への転落防止ほろの取り付け状態。P:近畿日本鉄道
リニューアル車の室内内観。P:近畿日本鉄道