JR西日本では、東海道・山陽新幹線車両としてN700Sを追加投入すると発表した。これにより、さらなる安全性・安定性の向上や、異常時対応力の強化、快適性などの向上を図るとともに、多くの利用が見込まれる期間に臨時列車を増発し、利便性向上を実現する。 また、さらなる安全性・安定性の向上のため、現在運行しているN700Aタイプに対し、N700Sに採用する機能の一部を反映する改造を行う。
JR西日本所属のN700S・H2編成。
‘21.4.2 東海道新幹線 掛川~静岡 P:大谷真弘(鉄道投稿情報局より)
◎N700S追加投入
■ N700Sの主な特長
【安全性・安定性】
・ATCとブレーキシステムの改良により、地震時のブレーキ距離を従来のN700Aタイプから5%短縮することで安全性を向上。
・大容量のデータ通信を実現することにより、これまで以上に詳細な機器データの取得・分析が可能となり、車両の状態監視機能を強化することで安全性・安定性を向上。
【異常時対応力】
・バッテリ自走システムを搭載し、長時間停電時においてもお客様の避難が容易な場所まで自力走行が可能となることで異常時対応力を強化。
・異常時にお客様と乗務員が通話する装置を指令所の係員とも通話ができるようにします。また、お客様に分かりやすい客室内に設置し、異常時の即応体制を強化。
【快適性】
・グリーン車、先頭車およびパンタグラフ搭載号車にフルアクティブ制振制御装置を搭載することにより、快適性を向上。
・全席にモバイル用コンセントを設置することにより利便性を向上。
・車いすスペースを6席に拡充。
【環境性能】
・N700Aタイプと比較して消費電力量を7%削減。
■投入計画
2023年8月頃に1編成、2024年2月頃に1編成 計2編成投入。
【編集部追記】現時点でJR西日本のN700S(3000番代)はH1・H2編成の2編成のみ。
◎N700Aタイプの機能向上
■主な改造内容
【安全性・安定性】
・ATCとブレーキシステムの改良により、地震時のブレーキ距離を従来のN700Aタイプから5%短縮することで安全性を向上。
・大容量のデータ通信を実現することにより、これまで以上に詳細な機器データの取得・分析が可能となり、車両の状態監視機能を強化することで安全性・安定性を向上。
【コスト削減】
・パンタグラフやブレーキ装置の摩耗部品の長寿命化を図り、メンテナンスコストを削減。
■改造計画
2024年度から2026年度にかけて、N700Aタイプ40編成に対し、博多総合車両所で実施。
【編集部追記】40編成は、既存のスモールA編成(K編成)16編成と、ラージA編成(F編成)24編成の合計数と一致する。