185系

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「バラエティに富んだ列車編成は時代の写し鏡である」by.RMモデルズ編集長 その言葉の真意とは・・・?

2022.01.29

 鉄道趣味の世界では昔から人気のある、カラフルな車体や姿形の異なる車両が組み合わされた列車。ひときわ目を引く色とりどりの編成は、なぜ違う形式が組み合わさって運転されているのか、その理由やメカ的な事情にも探究心をくすぐられます。

 以前はJR各社を始め、多くの私鉄でこのような異種形式同志の編成が見られましたが、運用の単純化や他社直通運転の拡大などからその数は減りました。現在そういった編成が見られるのは、関東では小田急電鉄、関西では近鉄や南海電鉄、中部では名鉄などがあげられます。

 そのなかでも、特に異種形式による列車運用を盛んに行なっているのが名鉄です。

▲3100系(手前)を最後尾に連結する2200系(奥)中部国際空港からの特急。写真:山田 司

 なぜ名鉄では、そのような運用が多いのでしょうか?

 それは名古屋の周辺都市には岐阜、豊橋といった規模の大きい都市と、比較的規模の小さな都市をそれぞれ結ぶ線区が枝分かれしているためです。岐阜・豊橋を結ぶ線区では最大8両編成の列車が走りますが、その一方で規模の小さな都市へ向かう列車は最小2両の編成で運転されます。これらの線区は時間帯によって旅客需要も変わるため、2~8両までの編成をフレキシブルに組める電車が効率的なのです。

▲3150系(手前)は2004年に登場したステンレス車体の車両。後部は3100系で、1997年に登場した鋼製車両。西尾線直通の吉良吉田行き急行。写真:山田 司

 さらに、鉄道車両は1両約1億円もする高価なもの。メンテナンス周期の集中やコスト面でも一度に大量に製造するより、なるべく数年間にわたって車両を導入していった方が平準化できるという事情もあります。
 そのようなことも含め、運用される編成は古い電車と新しい電車、色の異なる電車など、バラエティある組み合わせの編成が多くなるわけです。
 車両の形や色の設計は、時代背景や流行にも微妙に影響されるので、それぞれ異なる時代のデザインが連結されている編成は、さながら「車両デザイン図鑑」です。

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