JR東日本は、、1982年に開業した東北新幹線(東京~盛岡間)と上越新幹線(大宮~新潟間)の橋りょうやトンネルなどの新幹線構造物について、将来にわたる安定輸送確保のため、2031年度から10年間で大規模に改修することを計画していると発表した。これに合わせ、新たに実物大の模擬設備を構築し大規模開発の着手に向けて、回収材料の開発や作業の機械化などの技術開発を実施していく。詳細は以下の通り。
■実物大模擬設備の概要
JR 東日本総合研修センター(福島県白河市十三原道下 1-1 )の敷地内に、JR東日本では初となる総合的な実物大模擬設備を構築した。
(JR東日本プレスリリースより)
●設備
・コンクリート橋
約80m
・トンネル・土工設備
各約30m
・線路
コンクリート橋:約70m
地上:約105m
■技術開発について
●コンクリート橋
(JR東日本プレスリリースより)
・東北・上越新幹線を再現した設備を構築した。
・調査・作業に用いる機械やオープンイノベーションを活用して選定した改修材料の開発を進める。
・再現した設備の一部で、防音壁取替を想定した材料の開発や改修作業の効率化を検討する。
●トンネル・土工設備
(JR東日本プレスリリースより)
・トンネル内の軌道にはカーブ区間を再現できる装置を配備。
・さまざまな条件下でも施工可能な機械の開発や操作者の訓練を行う予定。
・土工設備では改修工法の開発や効率化を検討中。
●線路
(JR東日本プレスリリースより)
・スラブ板下面と路盤面の間にある緩衝材の劣化により隙間が生じた状態を模した線路を構築。
・スラブ板の上面から隙間を把握する調査手法の開発。
・劣化した緩衝材やレール締結部の改修工法・機械の開発にも活用していく予定。
●3次元点群データを用いた設計、工事情報管理
・大規模改修では、3 次元点群データを活用し、設計や設備調査・施工計画といった工事情報管理の簡素化・質的向上を検討する。
●その他技術開発
・電化柱の耐震補強工事に向けた工法などの技術開発を進めるにあたり、実物大模擬設備の活用を検討する。