JR東日本とJR西日本は4日、北陸新幹線用の新型車輌の概要を発表した。
新型新幹線車輌はJR東日本とJR西日本の共同開発によるもので、JR東日本車はE7系、JR西日本車はW7系。12輌編成(10M2T)で、金沢方先頭車の12号車には「グランクラス」を導入。11号車はグリーン車で、1~10号車は普通車となる。なお中間車はすべて電動車。編成定員は934名(グランクラス:18名、グリーン車:63名、普通車:853名)。
「グランクラス」はフルアクティブサスペンション、その他車輌はセミアクティブサスペンションを搭載してより乗り心地を向上するほか、「グランクラス」とグリーン車の全座席および普通車の窓側座席と車端部に電源コンセントを設置する。また車内の全ての洋式トイレに温水洗浄機能付便座を設置するなど、サービス設備をより充実にする。さらにブレーキ性能を向上させ、地震時の安全対策としてブレーキ距離を短縮する。
なお北陸新幹線の営業最高速度は260km/h。
車輌のデザインコンセプトは「“和”の未来」。エクステリアデザインは、高速で走行するための造形と日本の伝統的な色使い、新幹線が走行する沿線の風景を融合させ、スピード感と精悍さを表現している。
先頭形状は環境性能を考慮した空気力学的な最適形状とするデザインを採用し、One-motion line(ワンモーションライン シンプルな流線形)とネーミング。
車体上部色は「空色」、車体色を「アイボリーホワイト」、車体中央の帯色を「銅色(カッパー)および空色」としている。
インテリアデザインでは、「グランクラス」は伝統を感じる空間と先進の機能を持つシートがお互いを高めあうことで、居心地の良い、ゆとりある空間を感じてもらえるように演出。グリーン車は日本の伝統的な様式美とモダンな感覚とをアレンジすることで、落ち着きや気品を感じられるように演出。普通車は旅の期待やワクワク感を感じながら、少しシックで大人の雰囲気を楽しんでもらうように演出している。
JR東日本E7系は2013(平成25)年秋、JR西日本W7系は2014(平成26)年春にそれぞれ第一編成が落成する予定。
▲北陸新幹線用新型車輌E7系、W7系の外観イメージ。車体上部色の「空色」は北陸新幹線の沿線に広がる空の青さを表現。車体色の「アイボリーホワイト」は日本的な気品や落ち着きを表現。帯色の「銅色(カッパー)および空色」は、日本の伝統工芸である銅器や象嵌の銅色と沿線の空の青さをモチーフに伝統と未来的なイメージの融合を表現している。
イラスト:JR東日本、JR西日本プレスリリースより(以下3点とも)
▲金沢方先頭車(12号車)「グランクラス」の客室内イメージ。定員は18名。
▲グリーン車(11号車)の客室内イメージ。
▲普通車の客室内イメージ。