東京急行電鉄では、2009年度の鉄軌道事業設備投資計画を発表した。混雑緩和策や鉄道ネットワーク拡充のための大規模改良工事をはじめ、安全対策、サービス向上などに総額512億円を投資する。
主な概要は次の通り。
混雑緩和策と鉄道ネットワーク拡充
■大井町線改良・田園都市線複々線化工事
1993年より進めている同工事、2009年7月11日に大井町線が溝の口駅まで延伸、大井町―溝の口間で急行運転を開始する。
○上野毛駅改良工事
2010年度中の完成を目指し、新駅舎の工事を進める。
○田園都市線(二子玉川―溝の口間)複々線化工事
7月11日に実施の大井町線溝の口延伸のために、二子玉川―溝の口間を複々線化する工事を進める。溝の口駅では大井町線折り返しのための線路拡幅工事を進める。
■東横線渋谷―横浜間改良工事
東横線と東京メトロ副都心線との2012年度の相互直通運転開始に向けて同工事が進捗中。相互直通運転開始にあわせて、特急、通勤特急、急行は10輌編成で運転する。
○渋谷―代官山間地下化工事
2008年11月、トンネル掘削用のシールドマシンを明治通り下の工事現場に搬入、2009年4月、代官山方面に向けて掘削を開始した。
○10輌編成化工事
10輌編成に対応するため、中目黒駅、学芸大学駅などでホームの延伸工事を進めている。
安全対策
■最新型車輌への更新
東横線・池上線・東急多摩川線などで計43輌を、新型車輌5000系と7000系へ更新する。田園都市線では、遅延抑制と混雑感の軽減を目的として、6ドア・座席格納車輌の増備を
進める。
■大井町線の延伸区間へATC導入
大井町線の延伸区間(二子玉川―溝の口間)も、東横線・目黒線・田園都市線・大井町線・こどもの国線と同様にATCを導入する。
■鉄道構造物の耐震補強工事
駅、高架橋、トンネルなどで耐震補強工事を進めているが、2009年度は、学芸大学駅付近高架橋、渋谷―用賀間のトンネルなどで耐震補強工事を実施する。
■世田谷線に非常ボタンを増設
鉄道線ではすべての踏切に設置済みとなっている、踏切で異常が発生した際に列車の運転士に知らせる「非常ボタン」を2009年度中に世田谷線のすべての踏切で設置する。
駅施設拡充など
■駅のバリアフリー化
2010年度中の完成を目指し、緑が丘駅のバリアフリー化工事に着手しているほか。五反田駅のJR山手線との乗り換え口のバリアフリー化も2012年の完成を目指して工事を行なう。
■たまプラーザ駅改良工事
たまプラーザ駅周辺開発に合わせて駅改良工事を進めており、2009年10月に新設改札口などの使用を開始する。
■駐輪場の増設など
二子新地駅、洗足駅など東急線沿線で、駐輪場の増設を進めている。