西武鉄道の2009年度 鉄道事業設備投資計画が発表された。
2009年度は、安全対策やサービス向上、環境対策、輸送力増強など、鉄道事業の設備投資に総額190億円を投じる。
主な概要は次のとおり。
安全対策
○自動列車停止装置(ATS)更新
既存の機能に加えて急な曲線、分岐器箇所等の制限速度に対しても、非常ブレーキが動作する機能を追加した装置への更新を引き続き実施する。
○車輌への安全装置取付
EB装置またはデットマン装置、運転状況記録装置の設置や、防護無線の電源を別系統に自動的に切り替える装置の設置を引き続き行なう。
○池袋駅耐震補強
地震に対する安全性向上のため、駅の柱と壁を補強する。あわせて1階コンコースの内装をリニューアルする。
○保谷駅ホーム2面化・線路3線化
島式ホーム1面、線路2線の保谷駅を、安全性・速達性・定時運転を確保するためにホーム2面、線路3線化へ改良を引き続き実施。
○豊島園駅の駅舎耐震補強
○新宿線西武柳沢―田無間、拝島線小川―玉川上水間の高架橋耐震補強
○大泉学園、萩山の両駅にホームの音声転落防止装置を設置
サービス向上
■駅舎の改良
○所沢駅
駅舎を改良し、乗降客及び乗換え客の利便性向上を図るとともに、駅コンコース内外に店舗等を配置することにより、将来の駅周辺及び当社沿線の活性化の起点となるように計画。
○椎名町駅
駅舎の橋上化を行ない、南北自由通路・エレベーター4基・エスカレーター6基及び多機能トイレ等を設置しバリアフリー化を図る。今年度より工事着手で2012年度完成予定。
○江古田駅
駅舎の橋上化を行ない、南北自由通路・エレベーター4基・エスカレーター9基及び多機能トイレ等を設置しバリアフリー化を図る。昨年度より工事に着手しており、2011年度完成予定。
○野方駅
駅舎の橋上化を行ない、南北自由通路・エレベーター3基・エスカレーター4基及び多機能トイレ等を設置しバリアフリー化を図る。昨年度より工事に着手しており、2010年度完成予定。
○久米川駅
東村山市の久米川駅北口駅前広場事業にあわせて北口駅舎を建て替え、新しい北口駅前広場に面した出入口を設ける。改札外にエレベーター1基を整備してバリアフリー化を実施。さらに北口の多機能トイレを改修。今年度完成予定。
○狭山市駅
狭山市駅西口再開発事業に伴ない、狭山市と共同で駅舎を橋上化し、東西自由通路の新設するとともにエレベーター3基・エスカレーター6基・多機能トイレ等を整備してバリアフリー化を図る。2010年度完成予定。
○西武立川駅
駅舎の橋上化及び北口の開設を行ない、南北自由通路・エレベーター3基・エスカレーター4基及び多機能トイレ等を設置してバリアフリー化を図る。今年度は駅舎の設計を行なう予定。
■駅設備のリニューアル等
○西武新宿駅
昨年度までに北口旅客トイレの改修等を行なった西武新宿駅では、今年度でホーム屋根・ホーム床の改修等が完了する。
○東久留米駅
老朽化している北口駅舎を撤去、北口への連絡通路を設置する。
○元加治駅
跨線橋にエレベーター2基を新設。旅客トイレの移設・バリアフリー化改修及び多機能トイレを整備する。
■車輌関係
○30000系の新造
101系・301系車輌の代替として、30000系を計120輌新造する予定だが、今年度は16輌(8連×2編成)を新造予定。
○6000系相互直通運転車輌対応工事
池袋線・西武有楽町線と東京メトロ副都心線との相互直通運転を行なう6000系の改造工事を引き続き実施。今年度は5本の改造工事を実施する。
また、30000系と同じ車内ディスプレイを今年度は1編成に設置する。
○2000系バリアフリー化工事の推進
車いすスペースの設置、車内表示器の設置などのバリアフリー化工事を2000系8連1編成に実施する。
○8500系の設備改良
山口線の8500系について、車内混雑時の乗降をスムーズにするため、先頭車輌部のドア付近に吊手及び握り棒を設置するとともに、座席の配置を変更する。今年度は1編成に実施する。
環境対策
○車輌用空調装置の更新
地球温暖化に対する影響が少ない代替フロンへのクーラーに置き換えているが、今年度は48台の取替えを行なう。
輸送力増強
○石神井公園駅付近高架複々線化工事
石神井公園駅付近の連続立体交差事業は、2007年8月に工事を着工しているが、今年度は練馬高野台―石神井公園間の上り線を高架化する工事等を進める。
なお、この事業が完成すると石神井公園駅は2面4線となり、緩急接続が図られて利便性が向上する。また9箇所の踏切がなくなることで、踏切事故や交通渋滞が解消される。