名古屋鉄道では、2008(平成20)年12月27日(土)に瀬戸線を除く各線でダイヤ改正を実施する。
今回の改正では“ミュースカイ”を除くすべての特急(快速特急含む 以下同様)を「一部特別車特急」に変更するとともに、運行系統の再編と停車駅の見直しを行ない、名鉄名古屋駅を結ぶフリークエンシーの向上を図る。
また空港アクセスにおいても“ミュースカイ”と特急の運行系統の再編と運行間隔の改善をなど行なう。
ダイヤ改正の主な内容は次のとおり。
■ミュースカイを除く特急の一部特別車化
一部特別車特急車輌(1700-2300系)24輌(6輌編成×4本)を新たに投入し、空港アクセス特急“ミュースカイ”を除く全ての特急を、乗車券のみで利用可能な一般車を設定した「一部特別車特急」に統一する。これにあわせ、全車特別車特急2000系車輌の愛称として用いてきた“ミュースカイ”を種別名とし、乗車券のみでも利用可能となる特急と区別する。
■特急の運行系統再編と停車駅の見直し
特急を「一部特別車特急」に統一するのにあわせ、特急の運行系統を再編し、停車駅の見直しを行なうとともに、昼間帯に名鉄名古屋駅を発着する特急を毎時5本から8本に増やし、「名鉄名古屋駅を結ぶフリークエンシーの向上」を図る。また、空港アクセスにおいても、利用状況にあわせた運行系統の再編や運行間隔の改善、車輌の増結などを行なう。
【岡崎・豊橋方面】
昼間帯に1本/h運行している豊橋―中部国際空港間(金山折り返し)の一部特別車特急を豊橋―名鉄岐阜間の運行に変更(豊橋5:53発中部国際空港行き一部特別車特急は引き続き運行)、運行系統を豊橋―名鉄岐阜(毎時2本)と豊橋―新鵜沼(毎時2本)に変更。岡崎・豊橋方面と名鉄名古屋を直通で結ぶ一部特別車特急を毎時3本から4本に増強する。また新安城および国府は、豊橋―新鵜沼間の特急豊橋行と豊橋―岐阜間の特急名鉄岐阜行が停車する。
【岩倉・犬山方面】
現在、昼間帯において、新鵜沼―河和間で1本/h運行している一部特別車特急を新鵜沼―豊橋間の運行に変更。あわせて新鵜沼―豊橋間の一部特別車特急を毎時1本増発。昼間帯において、岩倉・犬山方面と名古屋を結ぶ一部特別車特急を毎時1本から2本に増強する。また犬山線柏森を特急停車駅に変更し、特急の利便性向上を図る。
【一宮・岐阜方面】
運行系統を名鉄岐阜―豊橋(毎時2本)と名鉄岐阜―中部国際空港(毎時2本)に変更するとともに、名古屋本線笠松と新木曽川に昼間帯以降の一部特別車特急(毎時4本)が停車。当該駅や周辺駅及び笠松で接続する竹鼻方面―名鉄名古屋方面間の利便性向上を図る。
【半田・河和方面】
現在、内海―名鉄名古屋間で運行している全車特別車特急(毎時1本) を河和―名鉄名古屋間の一部特別車特急に統一(朝間・深夜帯の一部列車は内海発着)、半田・河和方面と名鉄名古屋を結ぶ昼間帯の一部特別車特急を毎時1本から2本に増強する。また、河和線青山と阿久比は特急(快速特急を除く・一部は青山に停車)停車駅となり、当該駅や周辺駅の特急の利用機会を拡大する。
■空港アクセスの見直し
【名鉄名古屋駅】
名鉄名古屋―中部国際空港間のミュースカイ・特急を毎時3本(ミュースカイ2本、特急1本)から4本(ミュースカイ2本、特急2本)に増やすとともに、名鉄名古屋駅の発車時刻の改善を図る。
【一宮・岐阜方面】
昼間帯毎時3本運行している名鉄岐阜―豊橋間の一部特別車特急のうち1本を名鉄岐阜―中部国際空港間の運行に変更、夕間帯の中部国際空港―名鉄名古屋間の一部特別車特急毎時2本を名鉄岐阜発着に区間延長する。これにより名鉄一宮・名鉄岐阜方面とを結ぶミュースカイ・特急を毎時3本(ミュースカイ1本、特急2本)に増やし、空港アクセスを強化する。なお、前述のように名古屋本線笠松と新木曽川に昼間帯以降特急が停車することで、中部国際空港を発着する特急毎時2本の利用が可能となり、当該駅や周辺駅及び笠松で接続する竹鼻方面―中部国際空港間のアクセスも便利になる。
【犬山・新可児方面】
夕間帯の中部国際空港発新鵜沼行きミュースカイを新鵜沼・新可児行きに変更、中部国際空港から新可児方面の利便性向上を図る。
【中部国際空港発の最終ミュースカイ・特急の発車時刻繰り下げ】
中部国際空港発ミュースカイと特急の最終列車発車時刻を17分繰り下げる。なお、中部国際空港発の最終列車として運行している空港23:32発金山行き全車一般車特急(金山0:03着)は快速急行(金山同時刻着)に種別変更する。
【特別車座席数の拡充】
土休日において、始発から8時台までに名鉄名古屋を発着するミュースカイをすべて8輌編成で運転。これにより、ミュースカイ・特急の増発を含め、同時間帯の特別車座席数を大幅に拡充する(1,681席→2,918席)。
■種別・行先のパターン化と運行間隔の均等化
特急の一部特別車化と運行系統の再編にあわせ、各方面ごとに列車の種別と行先を整理・パターン化する。同時に、昼間帯以降、名鉄名古屋など拠点駅における運行間隔の均等化を図ることで、分かりやすく、利用しやすいダイヤに変更する。
■拠点駅での乗換を特急主体に変更
今回の改正で特急を利用しやすくなることから、拠点駅において各務原線、広見線、小牧線、竹鼻線、尾西線などの各支線との乗換は、昼間帯以降は特急列車主体に変更する。これにより乗換駅では、便利で快適な特急を利用する機会が増加する。
なお、今回のダイヤ改正で7000系パノラマカー(4輌編成×3本)および1000系パノラマスーパー(4輌編成7本)は基本運用から外れることとなる。但し7000系パノラマカーについては、引退までの当分の間はイベント等で臨時列車として運用する予定となっている。