text & photo:RM
取材日:’23.10.17 場所:近畿車輛
取材協力:西日本旅客鉄道
JR西日本では、伯備線の陰陽連絡特急列車「やくも」で運用している国鉄型車両381系の置換用として、新型の273系を2024年度より投入することにしています。本日その第一陣が報道公開されました!
▲編成は4両編成で、0.5M方式を採用した全電動車となります。
先頭部分の形状は287系や271系との類似性を感じます。
エクステリアデザインのコンセプトは「山陰・伯備線の風景に響き、自然に映える車体」となっており、メインカラーは「やくもブロンズ」と称されるメタリック調の銅色となっています。この色は「沿線の自然・景観・文化・歴史を育む、お客様と交感する色」として選定されました。
▲電動台車のWDT71。
▲付随台車のWTR241。
近年、振子車両の後継車が非振子車となるケースが目につきましたが、273系は381系の跡を継いで振子車両となり、また同列車用としては初めての制御付自然振子方式となります。あらかじめ路線形状を取り込んだマップデータと、自車の走行位置を検知するシステムとの組み合わせで振子アクチュエータを動作させて振子の動きを補助。自然振子方式の弱点である「振子遅れ」を防ぐものですが、今回の273系ではJR西日本・鉄道総研・川崎車両が共同開発した「車上型の制御付き」というのが新しいポイント。
これは車上にジャイロセンサーを搭載して自車の走行時の動きから現在位置を検出するというもの。従来の地上子からの情報収集と照合することで、より精度が高く連続的な現在位置測定が可能で、結果としてタイミングの良い車体傾斜が可能となり、「乗り物酔い評価指標」が最大23%改善とされています。
●グリーン車
1+2列のリクライニングシートを採用。シート柄は「積石亀甲」で色合いは暖色系。
●セミコンパートメント
新たな試みであるセミコンパートメントの車室。2人用と4人用が各2室設置されます。
●普通車
2+2列のリクライニングシート。各席にコンセント付き。シート柄は「麻の葉柄」で色合いは寒色系。
●その他の設備
3席分が確保された車いす用スペース。
身障者対応のトイレ。
フリースペース・ユーティリティスペース。
大型荷物置き場。
運転席。
■
この273系は4両編成×11本の計44両が製造予定で、製造は全車近畿車輛となります。導入時期は2024年度より順次と発表されています。最後の国鉄型特急電車である381系の活躍をフルに目に出来るのは今年度いっぱいまで…ということにもなりますね。
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その381系「やくも」の雄姿をたっぷり収録したムック、題して「ザ・ラストモーメント 381系「やくも」」はもうご覧いただけたでしょうか。
381系の興味深い振り子装置の発達史と、後継の振り子車両たちを一覧できる記事を掲載。そしてこの「やくも」のラストワンとしての存在を珠玉のグラフでご紹介します。
◎主な新規記事
・読者傑作選グラフ…約500点におよぶ応募のあった読者作品から厳選。
・スペシャルギャラリー・381系「やくも」/EF64 1000の牽く貨物列車
・瀬戸大橋開通35周年、開業時回顧録
・津山まなびの鉄道館
◎主な再録記事
・日本の振り子車パイオニア381系
・走り始めた“WEST EXPRESS銀河”
・岡山、国鉄天国!
・岡山地区における国鉄型気動車の現況
ほか
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