text & photo:RM 取材日:’23.2.12
取材協力(工事状況):西日本旅客鉄道
昨日に「工事対策本部設置ミーティング」の模様を取材した、うめきたエリアの線路切換工事。予定通り2月12日は当該区間を運休として線路の切換に関わる工事が実施されています。その模様を複数の箇所から取材することが出来ました。
■前回記事
◆大阪駅(うめきたエリア)への線路切換工事中! 西梅田一番踏切最後の日
P:RM
集合場所に指定されたのは、大阪環状線福島駅付近の某所。ここでは高架下を横切るなにわ筋を通行止めとして、工事を行っています。
▲大阪環状線福島駅の高架下を横切るなにわ筋が通行止めとなっています。
▲上写真の反対側から見たところで、ここに梅田貨物線となにわ筋が交差する浄正橋踏切があり、その線路を70センチほど掘り下げる工事が行われています。
工事の内容は、地下トンネルの前後となる入り口付近の線路を既存の地平からスロープへ切り替えるというもの。2ヶ所ある入り口のうち、報道公開されたのは福島駅方で、こちらは通常この種の工事でよく採用される、横に仮線を敷設して営業線と建設線の位置をずらすという工法がスペースの都合で採れませんでした。そこで、あらかじめ営業線を工事桁と呼ばれる橋梁状のものに置き換えておき、その真下に新線を建設。切換工事では上の工事桁を除去すると、下から新線が姿を現す…という工法になっています。
▲福島方のトンネル出入り口から外を見上げたところ。
▲上写真の反対側で、この先に大阪駅うめきたエリアの地下ホームがあります。明日からはこの線路を「はるか」「くろしお」が走ります。
▲小分けにされた工事桁がクレーンで搬出されていきます。この桁の上には、昨日まで列車が走っており、上面にレールの端面が確認できます。
本日もうめきたエリアの工事を取材中です! トンネルの福島駅方出口から、工事桁撤去の模様。昨日まで上を電車が走っていたもので、上面にレール端面が見えます。 pic.twitter.com/LV4kR6kXcI
— Rail Magazine(レイル・マガジン)【公式】 (@RM_nekopub) February 12, 2023
つづいて、JR現業の建物の階上から、工事現場を見下ろす機会を得ました。
▲先ほどのトンネル出入り口よりも福島駅に近いところで、別のクレーン車が工事桁の搬出を行っています。
▲これが工事桁で、数年前に既に既存の線路がこれに置き換わっていたのでした。
▲福島駅に近い部分で、スロープが地上に達する部分は、工事桁と新線との二階建て工法が取れないため、この切換工事中に既存線路を掘り下げる工事を行います。見えている範囲の線路は、昨日まで数十センチ高かったのが既に掘り下げられたところ。
▲浄正橋踏切付近でのなにわ筋の掘り下げ工事を上から見たところ。
今回取材した、仮線併用型直下式と呼ばれる工法は、JR西日本としてはかなり珍しい採用とのこと。お話を聞いているだけでも、その難易度やプレッシャーは分かるような気がします。
工事は予定通り進行しており、明日の初電からは新しい地下区間を列車が走ることになります。もっとも、駅供用開始はダイヤ改正までお預けです。約1ヶ月の間、未完成の駅を横目に通過する「はるか」「くろしお」、乗車チャンスのある方は楽しみ…と言えるかもしれませんね。
■
さて、昨日で廃止となった西梅田一番踏切はその後どうなったのでしょうか。
実は早くも遮断桿が撤去され、線路には侵入できないようフェンスが張られ、赤色灯には黒いカバーが装着されております。鉄道信号も滅灯となっており、一夜にして完全に廃線の風情となっておりました…。
▲遮断桿が撤去され、いきなりすっきりしてしまった元西梅田一番踏切。
▲赤色灯には黒いカバーが…。
▲線路入り口にはフェンスが張られています。一夜にして「踏切仕舞い」がなされた格好です。写真は新大阪方を見たところ。
↓オフショットも収録!↓
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画像:JR西日本プレスリリースより