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部分復旧の大井川鐵道本線に乗ってきました【代行バス乗車レポート】

2023.01.03

text & photo:三ツ矢健太
取材日:’22.12.17

 大井川鐵道では昨2022年9月下旬に東海地方に襲来した台風15号による影響で、特に大井川本線に甚大な被災が生じ長期運休となっていましたが、12月16日に金谷~家山間で部分復旧を果たし、約3ヶ月ぶりに電車の運行が再開されました。

 残りの家山~千頭間では電車に接続する代行バスが運行されています。先日は一足早く復旧した井川線に乗車するため、この大井川本線の電車⇒代行バスの経路に乗車してきましたので、簡単にレポートしたいと思います。

JR東海道本線との接続駅である金谷の大井川鐵道ホームで待っていたのは、元南海の21000系。

オマケ画像もあります

 家山駅は大井川本線のほぼ中間地点と言える場所で、途中の神尾~福用間で大規模な土砂崩落があり、架線の高さまで線路が土砂で埋まったような現場画像で衝撃を受けましたが、優先的に復旧工事が行われました。列車は徐行となりますが、車窓から見える土砂の山肌に、その崩落規模の大きさが窺えました。

 当面の終点となる家山駅で電車を降り、駅前に停まっている大鉄観光バスに乗り換えます。

家山駅に到着した電車。

代行バスはグループ会社の大鉄観光バスが運行しています。

 代行バスの乗車方法ですが、筆者は金谷駅で千頭駅までの通しの乗車券を購入しており、バス乗車前にその切符を見せて「千頭まで乗車」という旨を伝えればOKです。乗客はそれぞれ下車駅を申告し、それを把握した車掌さんが同乗します。

代行バスは観光タイプなので椅子などは快適です。

川根温泉笹間渡駅に相当する停留所は川根温泉ホテルとなります。

 車掌さんが車内前方に乗務し、停留所に停車するかどうかの判断をしているようでした。降車客はあらかじめ把握できていますが、乗車する方の有無については、停留所付近で徐行し、待っている方がいないかどうかを確認。いなければそのまま通過という措置が採られていました。

車窓左手に、今は電車の走っていない錆びた線路が見えます…。(塩郷駅付近)

下泉駅はバス通りに面しているので、駅前そのものが停留所です。

線路とは対岸となる側をバスが走る区間(田野口駅付近)。車窓からは、鉄道が被災した現場を確認することはできませんでした。

 バス通りと線路は並行している区間が多いのですが、唯一田野口駅付近では川を挟んで対岸を走ります。代行バスでは対岸にあたる「上長尾」という停留所が設定され、田野口駅付近への利用者はそこから徒歩で連絡するという方法が採られていました。

青部~崎平間の第二大井川橋梁を車窓から見たところ。

千頭駅が左手に見えてきました。2本在籍する21000系のうちのもう1本は同駅に封じ込めになっていたのですね…。

千頭駅前に到着した代行バス。お疲れ様でした。

 代行バス乗車時間は40分強というところで、電車にくらべてもさほどの違いはありません。何度も乗ってきた電車とはまた異なる車窓が味わえたのは新鮮ではありましたが、やはり鉄路の復旧が待ち遠しいとは思いました。

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