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いつでも会いに行けます…! 大宮・鉄道博物館にEF58 61収蔵、お披露目!

2022.10.30

text & photo:RM
取材日:’22.10.30 取材協力:鉄道博物館

 第二次大戦後の国鉄を代表する電気機関車と言えば、多くのファンがEF58形を挙げることでしょう。流麗で長大な流線形車体を持ち総計172両が誕生、全国の直流電化区間にて優等列車から普通列車、荷物列車までの牽引に活躍しました。そしてその中でも最もスペシャルな1両として誕生したのが、「ロクイチ」こと61号機です。

▲展示場所はエントランス入って正面左手、本線と並行したガラス張りの空間です。

↓式典の模様、「寄り」のカットなどもご覧ください!↓

 1953年に日立製作所で製造された本機は、東芝製の60号機と共に初めて最初からお召専用機として発注された電気機関車で、車体全周に回されたステンレス製飾り帯やお召列車牽引時に必要な特殊装備の数々を持たされていました。61号機は東京機関区配置、60号機は浜松機関区配置とされましたが、次第に61号機がお召機としてはメインとなり、60号機は国鉄時代末期の1983年に廃車解体。残された61号機は極めて希少価値の高い機関車として、JR東日本に移行後もお召列車や団体臨時列車牽引用として活躍したのです。2008年に休車となり、長年車籍は持ちつつも東京総合車両センター内で大切に保管されてきましたが、鉄道開業150周年の本年2022年、鉄道博物館への収蔵が決まり、10月30日に除幕式が行われました。

▲左から、大場・鉄道博物館館長、緑川・大宮駅長、清水・さいたま市長、鉄道少年団代表・渡辺さん、JR東日本執行役員・木村さん。

▲アンベールの瞬間…神々しささえ感じさせる「ため色」の車体が姿を現しました! しかも日章旗まで付いています。

 展示場所は本館1F、エントランスを入ってすぐ正面左にあります。ガラス張りの空間でその向こうには川越線・高崎線の本線が走るところもよく見えます。腰くらいの高さのガラス壁に囲われていますが、全体像の観察に不満は抱きません。61号機の大きな特徴である下回りの一部磨き出し部(装飾と、故障の早期発見とを兼ねたもの)が銀色に輝いていますが、この部分は鉄製ですのでそのままでは錆びてしまうのでは…とお聞きしたところ、展示に際して特別なコーティングを施しているとのこと。また、展示場所のガラスにも紫外線をカットするフィルムを施工し、褪色などが起きづらい、万全の状態で迎え入れたとのことです。

▲エントランス側の前面が1エンド。

 式典にはさいたま市の清水市長、JR東日本の木村執行役員、大宮駅の緑川駅長、鉄道博物館の大場館長らが列席。スピーチにおいてこの機関車はJR東日本から鉄道博物館へ「寄託」されたという表現がなされていました。前述したように同機は今も車籍を持っており、扱い上は現在も休車扱い(所属は尾久車両センター)ということになるとのことです。活きている…ということをアピールするかのように、式典の締めでは長い気笛を鳴らしてくれ、深い感慨を味わいました。

▲反対側が2エンドとなります。

▲田端運転所を示す区名札、「御召」札、真鍮製のエンドおよびATS標記などがスペシャル仕様。

▲ナンバープレートも、切り抜き文字の「日立」のメーカーズプレートもピカピカ。

▲2階に上がるエスカレーターからは少し屋上も観察できます。

 現在、鉄道博物館への入館は、事前に指定のコンビニエンスストアでの時間指定の「入場券」を購入する必要があります(現地での購入は出来ません)。まだ少々不自由な情勢がつづきますが、この機関車に会いに行くのなら、それだけの手間をかける価値は十分以上…皆さんきっとそう思われることと思います。

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P:山藤 剛

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