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特集・コラム

「駅」を訪ねて…思わず模型化したくなる好ましい車庫「ひたちなか海浜鉄道 那珂湊駅(その2)」

2022.07.31

取材日:’21.11.2
text & photo(特記以外):羽山 健(RM)
同行取材:遠藤イヅル 取材協力:ひたちなか海浜鉄道

 隔月刊行時代のレイル・マガジンで連載した「シーナリー散歩」。WEB編は「『駅』を訪ねて…」に再構成してお届けしています。2022年1月号では、茨城県の第三セクター鉄道・ひたちなか海浜鉄道を取り上げまして、WEB編では中枢駅である那珂湊駅から紹介しています。前回の駅施設につづき、今回は併設の車庫の各設備を見ていきましょう。

前回記事(那珂湊駅その1)はコチラ

レイル・マガジン2022年1月号(452号)書誌情報

さすが歴史ある車庫は違う…? 新旧2本の矩形庫
 那珂湊の車庫は、駅舎とは本線を挟んで反対側にあり、ホームからもよく様子を観察できる場所です。 開業当時からのものと思われる木造の複線矩形庫はまさにこの車庫のシンボルと言えるでしょう。もちろん現役の設備で、取材時も庫内に2両半ほどが収納されて整備が行われていました。

▲駅ホーム2・3番線から車庫方面を見たところ。ちょうど3番線にキハ11形(黄色と黒のラッピング車)の下り列車が入線してきました。

▲収納される車両は世代交代していますが、木造庫の雰囲気はずいぶん昔から変わっていないと感じます。

▲木造庫の側面を見たところ。トタン張りでアルミサッシ化もされ、一定の近代化が窺えます。

▲木造庫の庫内の様子。やや手狭でクレーンなどの設備もなく、またピットもありません。

▲木造庫の背面は各種メディアの記事でもあまり見たことがありません。

▲実は木造庫のさらに奥に、鉄骨造りの各種設備の整った近代的な車庫もあるのです。

▲採光や換気を考慮したのでありましょうが、非常にシンプルな構造の車庫。

▲近代的な車庫の内部はレール走行式のジャッキが設置され、さらに床面が完全に平滑になっています。

▲ジャッキで別角度から。変わった形の仮台車を履いています。

▲車体から降ろして整備に取り掛かっているエンジン。

▲近代的な車庫の背面の様子。

車庫の奥こそ、お宝の山…
 縦に2つ並んだ新旧の車庫の奥にも線路は続いていて、部品取り車や由来に一癖ありそうな仮台車などが多数置かれていて興味深いものでした。

▲茨城交通時代から、この車庫の「主」的存在のステンレス製ケハ601の車体。長年物置代わりでしたが、近年整備され、車内でイベントが開かれることもあるようです。

▲鹿島臨海鉄道から譲渡されたキハ200形203(大元は国鉄キハ20形)も、車内に模型レイアウトなどが設置されています。

▲東海交通事業のキハ11形は、ドア部にステップがないため、ひたちなか海浜鉄道ではもともと部品取り用として譲り受けたそうです。

▲世代も様式も様々な保存車・保留車の群れ。

▲切り通し部の植栽伐採などに用いるのでしょうか、中央部に脚立のようなものを持つ事業用車。その台車は鉄道連隊の97式軽貨車と思われます。

▲車庫脇に無造作に置かれているこの台車も、97式軽貨車。

▲こちらは実用本位の形態で製作された仮台車。

中物、小物…いちいち気になる設備たち

▲非常に古いと思われる屋外のピット。かつて蒸機の時代にアシュピットとして使われたものでしょうか。

▲シンプルな給油機。

▲燃料計量器は給油機本体とは少し離れた場所に設置されていました。

▲コンクリートブロックでできている油庫。

▲車庫の向こう側に、少々雑然とした感じで建て込んだ詰め所や資材置き場。このあたりの密度感は、模型でも再現したいものです。

イラスト:遠藤イヅル

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