text & modeling & photo:根本貫史(RMM)
今回ここではNゲージジオラマによる簡単な「夏」を感じられる海の表現方法を紹介します。海や河川といった水辺を表現する素材は各社から発売されていますが、今回はジオラマ素材専門メーカーのモーリンから発売となった「海面作成素材セット」を使った表現方法を解説します!
↓順を追った詳しい解説はこちら!↓
■新定番となったジオラマ製作ツールで作る「海」
今回は海の表現方法を紹介するため、海岸沿いを走る鉄道シーンのジオラマを作り起こしました。参考にしたのは信越本線の米山~青海川付近で、日本海を望む起伏に富んだ地形が生み出す様々な表情の波は、海の表現方法を解説するのに適していることからこのエリアを選定しました。
ジオラマのサイズは600×900mmと、ジオラマとしてはやや大型で、ホームセンターで入手できるスタイロフォーム板(t30)をベースに、モーリンの模型用スタイロフォーム(品番SF-06・SF- 13)で地形を作りました。なお、ベースとなる同サイズの板もモーリンから発売されている(品番 SF-02)ので、そちらを使っても良いでしょう。
基本的にスタイロフォーム板を地形に合わせてカットし、積層することで地形を作っていくジオラマ技法としては定番の方法です。スタイロフォーム同士の接着には、市販の木工用ボンドでも構いませんが、速乾性の高い光栄堂の「スチのり」を使うと便利です。また、バラストや シーナリーパウダー系素材、フォーリッジなど の固着には、モーリンの「スーパーフィックス」 が大変便利です。「スーパーフィックス」は界面活性剤を3%含んだジオラマ工作に特化した専用の固着剤です。そのため、非常に浸透性の高い液体なで、バラストやパウダーが流れることなく瞬時に浸透して固着します。
今回海の表現に使用するのは、おなじくモーリンの「海面作成素材セット」を使用します。 セット内容は、着色で海色や水深を表現するためのアクリル絵具、水表現用の「グロスポリマーメディウム」、立体的な波表現用の2種類 の「ジェルメディウム」と、水泡表現用パウダー 「水泡表現素材」です。
■完成!
完成した海岸ジオラマ全景です。海の表現ポイントは、奥行感のある水深表現と、時間が止まったかのような躍動感ある波表現が腕の見せ所と言えるでしょう。そして海を作る際はできるだけ実景を見て波の形状や海の色をよく観察することをで、よりリアルで実感的な海となります。
一見難しい題材と思われる海の表現も、実景をよく観察し、 便利な海面表現素材を使うことで、誰でも簡単に作ることができるようになりました。今夏、夏休みを使って涼しげで爽やかな海辺のジオラマ製作にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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