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総距離366キロ!「こだま」東京―名古屋間に次々と現れる謎。新幹線の新しい乗り方が楽しめるツアーに参加してみた!

2022.06.24

 以前よりも「withコロナ」という言葉に実感が持てるようになった昨今、「今年の夏こそは旅に出よう!」と考えている方もいるのではないでしょうか。鉄道好きの旅と言えば、やはり“鉄道でどう楽しむか”が重要なポイントとなるかと思いますが、今回は新たな選択肢となりうる鉄道旅をご紹介しましょう。

JR東海とJTB、そして数々のリアル宝探しイベントを企画してきたタカラッシュがタッグを組み、新しい鉄道の楽しみ方を提案するツアーを誕生させたとのことで、参加してみることにしました。

 「新米車掌トウカイと失くし物の迷子さん」という一風変わったタイトルがつけられたこのツアー。東海道新幹線に乗り、リアル宝探しをしながら東京―名古屋間の旅を楽しもうという企画で、移動手段のみならず、参加者が主人公となり、東海道新幹線を舞台に展開されるゲームを楽しみながら、謎を解いていくところに醍醐味があります。

 申し込みをすると、「ストーリーブック」を中心とした参加キットが送られてきました。ページをめくると、若い車掌さんと女の子のイラストともに謎解きのストーリーが描かれており、詳細は分からないものの、「新幹線に乗りながらこれを!?」というワクワク感に溢れています。

 出発地は東京駅で、キットに同封されている乗車券は「こだま自由席」。あえて各駅停車のこだまがセレクトされているだけあり、どうやら途中駅で下車し、手掛かりを探す必要もありそうです。

 ストーリーブックによると一つ目の謎は東京駅のようです。リアル宝探しゲーム初体験の筆者でしたが、注意深く内容を確認してなんとかクリア。今回の企画では、どうしても分からない場合にヒントを確認することができ、初めてでも安心して参加できるのがうれしいところです。また、駅に貼られたポスターや、時には謎の答えをLINEで報告することによってストーリーを読み進めることができるなど、複合的な楽しみ方も特徴のひとつと言えるでしょう。

 途中、いくつかの駅で下車しつつ進む名古屋への道のり。速達列車が豪快に通過していく様をのんびり眺められるのもこだまの旅ならでは。これまで出張などで名古屋へ向かう際は「のぞみ」を選択していた筆者ですが、今回の旅では途中下車したことで、「改めて来てみたい!」と思える景色に気づけたことも収穫のひとつでした。

 7つの謎とそれにまつわる手がかりなどを探しつつ、名古屋駅に到着したのは13時半ごろ。東京駅の出発が9時27分だったので、都合4時間ほどの旅を満喫し、名古屋駅の改札を出ると、“お宝”が待っているというゴールを目指します。

 もちろんここで詳細はお話ししませんが、ゴール地点にあるお宝を目の前にすると、これまでに味わったことがない種類の達成感を味わえるでしょう。また、初体験の「リアル宝探し」でしたが、その醍醐味を存分に味わえましたし、謎解きで活性化されたからか、残る半日ほどの時間をどう使おうかと妄想が膨らみ、名古屋駅周辺でどのくらい多くの種類の列車が見られるかにチャレンジしつつ、満たされた気持ちで夕方帰路に就いたのでした。

JRだけでなく、近鉄、名鉄、あおなみ線など、数多くの列車が発着する名古屋だけに、“ついでウォッチング”もあわせて楽しみたい。

 「できるだけ早く目的地に!」という需要で利用されることが多い新幹線ですが、乗車することでストーリーの一部となり、新しい目的を生んでいる今回のイベント。一人でじっくり楽しむもよし、友人や家族と協力しながら挑むもよし。新幹線旅の可能性を広げてくれるツアー企画と言えます。8月31日まで開催されているツアーに参加して、“鉄分補給旅”を満喫してみてはいかがでしょうか。

◎JR東海×リアル宝探し「新米車掌トウカイと失くし物の迷子さん」
・開催場所:東海道新幹線(東京-名古屋駅間)
・旅行期間:2022年8月31日(水)までの日帰り ※最終申込日は8月19日
・利用列車:往復とも「こだま」自由席
・クリアまでの推定所要時間:5~6時間(新幹線の移動時間含む)
・旅行代金:おとな21,000円、こども15,500円(ともに税込)
※参加にはLINEがインストールされ、インターネット接続が可能なスマートフォンまたはタブレットが必要です。
※ヒント・解説の間には「ハンターズヴィレッジ」の会員登録(無料)が必要です。

「新米車掌トウカイと失くし物の迷子さん」オフィシャルサイト

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