text & photo:RMM
「Nゲージを一式揃えて自分だけの鉄道を創る」という夢を持っている方も多いのではないでしょうか?ですが、まずどれから揃えればいいのか、何を買えばいいのか、必要なスペースは、幾らくらいかかるのか、と考えてなかなか手が出せないというのも事実。そこで原点に立ち返り、各社から1〜2万円ほどで発売されている入門セットの遊び方をご紹介!今回は「TOMIX」のベーシックセットの組み立て方を解説いたします!
■TOMIX製線路の取り扱い方
TOMIX製の線路は「ファイントラック」と呼ばれており、KATO製のものとは取り扱い方も異なります。特に、レールを取り外すときはKATO製のように折るように力をかけるとジョイント部分のツメが割れて、ツメを挿入する穴に折れたツメが詰まってしまいます。取り扱いには気をつけたいところですね。
TOMIXとKATOの線路では互換性はなく、専用の接続線路等を用いなければ繋げることはできないので、無理にお互いを接続することは避けましょう。
▲線路のツメの部分が接続する線路の穴の部分にうまく噛み合うように、線路方向に真っ直ぐ接続する。正しく繋がると「カチッ」という音がする。
▲微妙な力加減が難しいが、線路は接続した時と同じように、直線方向に引っ張って取り外す。うまく外れないからといって左右に力を入れると、ツメが折れる危険がある。
●フィーダーを線路に接続する!
KATOのように線路に電気を流す「フィーダー」を接続する専用の線路はなく、TOMIXの場合は基本的にどの線路にもフィーダー差し込み用の溝が彫られています。ここにフィーダーケーブルを接続することで通電の準備が整います。
▲線路の中間部分を見ると、枕木の間に溝が掘ってあるのがわかる。ここに電気を流す「フィーダー」を接続する。なお、線路のどちら側からも溝に差し込むことができる。
●カーブを作る!
▲8本のカーブ線路のうち、それぞれ4本ずつ接続して半円形を2つ作る。
●直線を作る!
▲セットには長い直線3本と踏切線路・長い直線の半分の長さの線路が入っている。写真のように長い直線2本と、長い直線1本+半分の長さの線路+踏切線路という組で使用する。場所が狭ければ、長い直線を1本ずつ、もしくは踏切と半分の直線を組にして使うこともできる。
●直線と曲線を接合する
▲直線とカーブを接合して、コントローラーとフィーダーケーブル・配線類を接続した図。こうすることで列車が周回できる。なお、フィーダーは写真の位置になくとも、コントローラーを設置した場所に合わせて基本的にどのレールでも自由に差し込むことができる。
■車両を走らせよう!
ここまで組み上がって一番怖いのが、コントローラーが走行状態になっていること。うっかりやってしまうと、モーター車を乗せた途端に暴走する…なんていうこともあるので、必ず車両を乗せる前にコントローラーのチェックをしておきましょう。
●コントローラーを初期位置にする
▲TOMIXのコントローラー(パワーユニット)は、前進と後進を切り替えるスイッチと、列車の速度を調整するツマミで構成される。車両を乗せる前にツマミが「STOP」側になっているかどうかをチェックしておこう。
●線路にリレーラーをのせる
▲リレーラーを使って車両を乗せる。モーターのないトレーラー車なら、乗せるだけで車両が傾斜を転がり自然とレールに乗る。また、モーター車の場合は軽く押しながら線路の上を滑らせるか、車両を押さえながらリレーラー本体を後ろに滑らせることで楽に乗せられる。
●脱線がないか確認!
▲乗せ終わったら、今一度目視で脱線がないか確認をする。確認を怠ると脱線したまま車両が走り始めて転覆したり、連結が外れることもある。また、この時にトレーラー車を軽く引いて連結が外れないかのチェックもすると良い。
●コントローラーを操作して列車を動かす!
▲スイッチを「前進」に入れる。「前進」「後進」のどちらかに入っていなければ車両は走らない。なお、「前進」に入れても必ずしも自分が思う方向に進むわけではない。ツマミを少し入れて動かしてみて、意図しない方向に進んだら一度止めて、スイッチを逆側にしよう。
▲ツマミを回して列車を走らせる。ただし、ゆっくりと回すこと。いきなり「MAX」まで回すとカーブで脱線する恐れがある。写真のような適度な位置で止めておく方が安全な上に、何より本物に近い速度となる。
今回はTOMIX製のベーシックセットを想定して解説しました。「運転する」という鉄道模型の根源的な愉しみに比較的簡単に触れられるのが入門セットの良いところでもあります。いきなり夢の情景付きレイアウト!となると、必要な技術もスペースも金額も大きくなります。まずは慣れるという意味も込めて、手頃に1〜2万円程度から購入できる入門セットでNゲージを初めてみてはいかがでしょうか?