■線路の固定方法
地形作りと共に重要なのが線路の敷設です。 情景の題材が決まったら、まずは線路配置を優先に構図を考えます。そして残ったスペースに、再現したい情景の要素を取捨選択しながら採り入 れるようにします。限られたスペース内でいかに情景を再現できるかがセンスの見せどころです。ここでは基本的な線路の固定方法をギャラリー画像でご紹介します。
- A4サイズの木製パネルをベースにしたジオラマを例に、線路の固定方法を解説する。まずは鉛筆で全体の構図をベースに罫書きしていく。
- ベースに線路の中心線を正確に罫書き、そこに位置を合わせたら、道床の輪郭をなぞっていく。
- 線路際はバラストの散布と犬走り(通路)のスペースを確保するため、片側15mm幅でアウトラインを罫書く。
- 木製パネルの場合、線路は釘で固定できる。線路には釘用の穴が用意されているので、そこにKATOの釘をラジオペンチで摘みながら押し込む。
- 線路自体を嵩上げする場合は、その高さに適した素材(スタイロフォームやスチレンボード)を帯状にカットして使う。 作例はt5.0のスチレンボードを使用。
- スチレンボードをベースに接着する場合は「スチのり」を使う。
- スチレンボードで嵩上げした状態。幅はこのギャラリー画像3枚目と同じで、ベースの罫書線が塞がったので、線路の中心線だけ書き直す。
- スチレンボードに線路を固定する場合、釘は使えないので裏面にスチのりを塗って接着する。
●関連する構造物も地形と同時に作業する
今回はまだ地形作りの段階ですが、地形と大きく関連する構造物については、この段階で作業する必要があります。 対象となるのは法面などの石垣やトンネルポータル。橋梁を作る場合は橋脚も地形作りと同時進行でなければ設置できません。他にも架線柱を設置するための台座や駅のホームも、この段階でスペースの確保または設置が必要になります。ここでは特に関連の強い石垣とトンネルポータルの設置例を紹介します。
- 地形と大きく関連する「石垣」。写真はグリーンマックスの石垣シリーズ各種。シート状のプラ成形品で、使用する場所に合わせて適宜カットして使う。
- 石垣をあてがって使用する形状を決める。また、トンネルポータル(写真はポポプロ製品)も地形と関連する構造物なので、同時に設置する。
- 当てがった際にカット形状を罫書き、それに沿ってカッターナイフでカットしていく。
- カットした石垣をトンネルポータルと共にスチのりで接着する。なお、石垣と地形に生じた隙間は、石粉粘土で埋めて処理する。