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特集・コラム

オール二階建て新幹線 E4系「Max」、定期運用本日終了!

2021.10.01

text:RM

 既報の通り、JR東日本・上越新幹線で活躍してきたE4系新幹線「Max」が、本日にて定期運用から離脱する。1997年に登場以来、24年という活躍期間であった。

▲’21.3.17 上越新幹線 新潟 P:田中裕也(今日の一枚より)

 E4系の特徴は、1994年登場のE1系「Max」につづいてオール二階建て構造を持つことだ。二階建て新幹線はそれまでも100系や200系の中間付随車として連結されていたことがあったが、「Max」の2系列が二階建て構造を持たされた理由はそれらとは大きく異なる。1990年代初頭、遠隔地に戸建て住宅を建てて新幹線で通勤する需要が激増したため、これらの通勤客に「着席状態で」乗車してもらうことが最大の狙いだったのだ。

▲‘19.1.6 上越新幹線 越後湯沢 P:鈴木 陽今日の一枚より

▲初代「Max」のE1系は、直線的な先頭部形状だった。
‘12.8.15 上越新幹線 大宮 P:小柳 啓消えた車両写真館より

 このコンセプトを初めて具現化した初代「Max」E1系は12両編成だった。しかしこの両数は実情にはもう一つマッチしておらず、ラッシュ時には力不足、閑散時には余剰気味。また、車内販売のワゴンが階段のために使えず、サービス面でも課題を残していた。比較的少数の6編成のみの製造で、2012年で引退。活躍期間も18年間と短いものであった。

▲’21.5.2 上越新幹線 高崎 P:大野聡久今日の一枚より

 その反省を活かして登場したのが二代目「Max」E4系だった。編成を8両とし、ラッシュ時には2編成併結の16両編成とする考え方で、ラッシュ時と閑散時両方に柔軟に対応。また、車内販売のワゴンを移動させるワゴンリフターを装備して車内サービスも充実させた。この仕様は完成度が高く24編成が製造され、最初は東北新幹線、数年後に上越新幹線での活躍が始まった。

▲レイル・マガジン2021年11月号誌面より(以下同)

 しかし時代が進むと共に、二階建てならではの弱点が露になる。E4系の最高速度は240km/hと、登場時点から見ても低めとされており、これは重量が重く空気抵抗的にも不利な車体を持つことからの必然と言えた。E5・E6系が320km/h運転を行う東北新幹線からは2012年に撤退。その後は上越新幹線のみで活躍するようになったが、こちらもE7系の導入による275km/h運転が計画され、この度の引退となった。

 本日10月1日、東京を発車するE4系最後の下り列車は「Maxたにがわ411号」越後湯沢行きで、東京18:32発。一方、上り列車では「Maxたにがわ416号」が越後湯沢21:41発、東京着23:08となっている。

 E4系はこの後、10月中に数回団体臨時列車として運転されるとアナウンスされており、10月17日の「サンキューMaxとき」号が今のところ本当のラストランとなる予定だ。

 さて、発売中のレイル・マガジン2021年11月号(451号)では、JR東日本全面協力によって現車取材が実現。車内外の仔細に渡ってE4系のすべてを観察・記録した記事が掲載されている。「一人でも多くの乗客に『着席』してもらう」ことを目的とした他に例を見ない「3+3列シート」や、前述のワゴンリフター、車いす用リフトなど、特殊装備の数々が克明に記録されているので、ぜひ保存版として書架にお揃えいただきたい。

🔶レイル・マガジン2021年11月号(451号)新刊情報

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