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■既に8両在籍、増備途上の最新型路面電車
「○月の鉄道のデキゴト」は、当月にあった過去の鉄道の「デキゴト」(路線の開通や車両の新製・廃車、そのほかの事件など)を振り返るコーナーです! ティーブレイクにでも気軽にお楽しみください。
今回は、4年前となる2017年9月21日(日付もジャスト!)のデキゴトから振り返ってみましょう。この時、四国松山の伊予鉄道松山市内線にて、最新型のLRT車両として5000形が営業開始となりました。
▲営業運転開始直後、夜の道後温泉駅に停車する5002。
‘17.9.25 伊予鉄道城南線 道後温泉 P:松田信彦(鉄道投稿情報局より)
伊予鉄道は通常の大型車両が走る通称・郊外線と、松山市内の伝統的な路面電車の形態である通称・市内線との両方を運行しており、このうち市内線では長年、在来型の路面電車が多数活躍していました。変化が現れたのは2002年、同社初のLRT車両として2100形が登場したこと。当時のアルナ工機(現・アルナ車両)が提唱した「リトルダンサー」という部分低床車(台車はほぼ在来サイズで、台車間を超低床とする考え方)で、10両というまとまった両数が投入されました。
そして15年ぶりに新形式登場となったのが5000形。スクエアな形状が特徴だった2100形に対し、先頭部がスラント形状となって未来的なイメージをまとっています。本形式も「リトルダンサー」シリーズの一員であり、台車間を超低床とする基本的な設計は共通です。ただし2100形では外寸サイズに対して定員が少ないのがウィークポイントだったこともあり、車体寸法拡大や車内設計の最適化を実施し、定員は47→60名へと28%もアップ。また、2015年から開始されたオレンジ色一色の車体色を最初から身にまとって登場した初の形式ということにもなりました。
▲LRT車両と好対照となる在来型の路面電車車両。写真の50形59号は5000形の増備により廃車となっている。また、この暖色系3色塗り分け塗装も既に消滅済だ。
‘18.3.26 伊予鉄道城北線 清水町~高砂町 P:田頭由匠(今日の一枚より)
2017年の営業運転開始時点では5001・5002の2両という存在でしたが、その後順調に1年度2両のペースで増備され、現時点では5008までの8両が活躍中。計画では本2021年度も2両が増備され、2100形と同じ10両という陣容となります。