185系

特集・コラム

“あのメロディー”も!自動で動くホームドアをプラレールサイズで再現!

2021.05.23

製作・本文 :秋山 仁
photo:佐々木 龍(特記以外)

 今ではすっかりお馴染みとなった東海道新幹線のホームドアとそのチャイム音「乙女の祈り」。この音を聞くだけで旅情を感じるというレイル・ファンも多いのではないでしょうか?
 今回はそんなホームドアをプラレールサイズで再現した作品をご紹介しようと思います!

■製作の経緯

 この作品を制作した経緯は、旅行で東海道新幹線に乗った時に思いついたことがきっかけでした。そこで、サーボモーターを使ってこのホームドアの動きが再現できないかと考えました。
 製作するにあたり何度か現地調査をし、構想を練りました。Nスケールで製作するのは少し自信がなかったため、まずはプラレールにピッタリのサイズで作ることにしました。
 材料はできるだけ身近なものを使い、またプラレールの製品そのものには全く改造を加えないというルールを決めました。

■製作

●駅のベース製作

 駅のベースは自宅にあったプラスティック段ボール(以下プラダン)を重ねて作りました。大変だったのが電動化の機構で、実際の東海道新幹線のホームドアは左右非対称の両開き扉が多いのですが、簡略化して片開き方式としました。

▲3mmプラ棒で動作するが、動きを安定させるためにプラダンの穴を軸受けとして活用している。

 機構はタミヤの3mmプラ棒で動作しており、安定化のためにプラ棒をプラダンの穴に通し、ガイドのような機構を設けました。サーボモーターとプラ棒の取り付けは針金で行い、サーボの回転動作を直線動作に変更するために「スライダーリンク」と呼ばれる機構を用いました。この電動機構が完成した後に扉となるプラ板を接着しています。ホームドアのカバーは厚紙にアルミテープを貼ったものを取り付けました。ホームの床やステッカーはPCで作り、縮小印刷して貼っています。ホームドアがない部分は、タケダ模型の「シルエットフェンス(建築模型用)」を取り付けました。

●音楽の作成

 東海道新幹線のホームドアのチャイムと言えば、多くの人が一度は聞いたことがあるであろう「乙女の祈り」です。音の部分は電動化の次にこだわったポイントでもあります。
 この音はMIDIを使って再現しています。MIDIの経験は全くなかったので、苦戦しながら楽譜の打ち込みを行いました。ちなみに、参考にした楽譜が原曲であるクラシック版そのものだったため、実際のチャイムを何度も聞きながら本家同様のアレンジにできるだけ近づけています。

●回路・アプリ作成

▲独自に開発したアプリを使用し、PCから指示を出してマイコン(Arduino Uno)を介して制御している全景。

 そして最終的にはこれら音とドアを同期させて動かす必要があります。サーボモーターの制御は「Arduino Uno」と呼ばれるマイクロコントローラー(マイコン)で行ないました。ホームドアの操作やメロディーの再生はパソコンから行なっています。アプリはPythonで開発し、シリアル通信をすることで音と動きを同期させています。

■今後の展開

 今後はこのホームドアを小型化し、Nスケールにも応用できないかを検討しています。また、ホームにセンサーを取り付けて、車両の入線に合わせて自動開閉できるようにすればより実感的になるのではないかと考えています。

●動く様子はこちらから!

詳しい解説やポイントはRM MODELS 310号(2021年7月号)にも掲載されておりますので併せてチェックしてみてくださいね!

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