特集・コラム

第5回 185系誕生前夜

2021.01.20

■急行「伊豆」、特急格上げの背景

 国鉄は明治以来、陸上輸送機関の中枢として国の社会・経済を支えてきたが、1964年度に赤字に転落した。これに伴い、第三次長期計画を策定し、経営改善に向けての諸施策を実施することになった。このような状況を背景に抜本的な経営的改善と、収益力の向上を図ることを目的に1968年10月白紙ダイヤ改正、「ヨン・サン・トオ」が実施された。しかし、モータリゼーションなどの流れを止めることは出来なかった。

▲川崎重工業兵庫工場で落成した185系が本線試運転に備えて鷹取駅の側線に入線。前面には使われることのなかった「あまぎ」のヘッドマークが表示された。

’81.2.12 山陽本線 鷹取 写真所蔵:岡田誠一

 1980年代になると、もはや公共企業体としての維持は不可能であり、改善が達成できなければ、経営形態の議論も避けられないとの暗黙の空気があった。185系の登場はまさにこの時期と一致しており、185系という新形式電車を使用して東海道・伊東線の急行「伊

全部を読む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加