製作・写真:根本貫史
近年様々なメーカーから塗装済み完成品が発売されるようになったNゲージ。技術の向上から製品状態でも繊細なディテールや塗装が美しく表現できるようになった。そんなNゲージだが、タッチアップをする意味がなくなったかというと、そうではない。そのままでも十分リアルな模型にさらにひと手間加えることで、より実車に近い重厚感や存在感を演出することができる。今回は西武新2000系を作例に、手すりの別パーツ化と塗装を中心としたディテールアップ術を紹介しようと思う。
■ひと手間を加えてディテールアップ!
今回はGM製の西武新2000系のパンタグラフが削減された8連(池袋線2077F・新宿線2093F)と、増結用の2連(池袋線2461F)の新2000系後期型を使用した。作例では、屋根・床下の塗装と細部への色差し、簡単なディテールアップに加え、正面手スリの別パーツ化を施した。
■正面手スリを加えて顔つきをリアルにする!
正面手スリキットではエッチングパーツが付属していたが、完成品ではモールド表現になった。このキット付属パーツを使うことで別パーツ化が可能になるが、今回は西武のパーツを多く製品化している銀河モデル製品を使用した。
▲作例では銀河モデルの新2000系用前面手スリ(N-839)を使用した。正面扉両脇の縦方向の手スリのほか、窓下などの横方向の手スリ製品には含まれる。
▲モールド表現の正面手スリを別パーツ化する場合、カッターナイフで元のモールドを慎重に削り取っていく。その際、周囲を傷つけないようい注意する。
▲手スリを別パーツ化した際は、先頭車同士の連結には注意が必要になる。使用するパーツやカプラーの選択にもよるが、特にTNカプラーを使用する場合は、手スリの突出量を干渉しない程度に抑えるなどの対策が必要だ。ちなみに銀河モデルから発売されるパーツには、TNカプラーに対応した突出量が少ないタイプも含まれている。
■パンタグラフ周辺をひと手間で実感的に!
パンタ脇のランボードは、製品では屋根一体のそっけない表現なので、こちらも銀河モデルのパーツを取り付けてみた。製品のモールドの上から取り付ける簡易表現だが、脚の表現が加わることでより立体的な表現になる。
▲2000系では屋根一体ながら、スリット表現があったパンタランボードは、新2000系では凸状のモールドのみの簡略表現になった。ここは西武通勤型車の特徴でもあるので、より立体的に表現した。作例では銀河モデルの新2000系用パンタランボード(N-842・843)を使用(写真奥が未塗装での取付状態)
▲銀河モデルのパンタランボードは、製品のモールドの上から取り付けるタイプで、脚とスリットを表現するだけの簡易的なもの。しかし、塗装をすると立体的に見える。そのほかの作例では、配管や屋根上機器類への色差しや、パンタグラフへの塗装と色差しを施した。
▲パンタ削減により不要になった配管や絶流器跡(H状の台座)も的確に再現されている。配管も単純に明灰色だけで塗らず、ケーブルが露出する部分(配管モールドが細い部分)を黒で着色するとより実感的になる。
以下、ギャラリー画像にてそのその他の加工個所の解説を行っているので参照していただきたい。
この記事は「西武鉄道完全ガイド」の一部を抜粋しています。最新001系「ラビュー」から往年の通勤車、地方譲渡車までを徹底解説!さらには細密なNゲージ加工記事も掲載し盛りだくさんの内容となっています。