text&photo:芦原やちよ
取材日:’20.11.1
🔶前記事はコチラ「どこへ行くかはお楽しみ!~キハ66・67形ミステリートレイン乗車記~」
キハ66・67形ミステリートレインの興奮冷めやらぬ翌日の2020年11月1日。今度はキハ40の貴重な原形エンジン車を貸し切り、大村線へ向かう団体臨時列車「大村ヨンマル紀行」として運転された。立て続けになるが、この列車の乗車記もレポートしていこうと思う。
▲東諫早駅に停車中のキハ40 2037
■今度はキハ40形単行!今や貴重な原形エンジン車の唸りを聞く
今回貸し切った車両はJR九州・直方車両センター所属のキハ40 2037。香椎線で運行されていた車両だが、2019年3月をもってDENCHAことBEC819系に置き換えられて運用から離脱。現在では車両の入出場時の伴車での使用が主である。エンジンは原形のDMF15HSAエンジンを搭載。各地で行われたエンジン換装等で、今ではなかなか聞けなくなった「爆音」を奏でる車両である。他にも屋根上に水タンクが残存していたり、車内もモケット交換程度で原形に近い姿を保っており非常に貴重な一両といえるだろう。
■特急街道を原形エンジンのキハ40が爆音で突き進む!
特急電車が多く走る長崎本線等を走行するときはダイヤ上、電車から逃げるためにかなり速い速度で唸りを上げながら走行することとなった。原形エンジンの本領を生で体感することができた上に、キハ40の活躍のメインであるローカル輸送ではまず味わえない速度域を体験することができた。
▲今や貴重なDMF15HSAエンジン。
■晴れ間の中、大村湾の絶景を車内から望む
今回のツアーは博多発で、途中鳥栖から長崎本線へ分岐、肥前山口でもそのまま長崎方面へ向かい、諫早でスイッチバックし大村線へ入線。早岐からそのまま佐世保線を上り方面へ行き、肥前山口を経由して博多まで戻る周遊ルートで運転された。一番の目玉はやはり列車名にもある大村線の風景だろう。この日も天気に恵まれ、美しい大村湾の絶景が車内から望めた。
▲大村線千綿駅でのひとコマ。
■ヘッドマークも大村湾をモチーフに
この列車でも記念撮影用ヘッドマークのデザインを私が担当した。列車名にもなるほどなので大村湾はデザインから外すことはできないと思い、大きく中央に大村湾をイメージした風景のイラストを配置。空はグラデーションにして彩り豊かに、上半分の「大村」の文字が入るところは貸切車両のキハ40の九州色をイメージしたものをレイアウトした。
ちょうど当日の天気もヘッドマーク同様の快晴となり、デザインをした甲斐があったものだった。
▲車内に展示されたヘッドマークを大村湾をバックに。
■最後に
すでに定期運用がないこのキハ40を一日貸し切って堪能できたことは、今後貴重になるだろう記録となり、非常に良い体験であった。毎度になるが、このような機会を与えてくれた主催のたび鉄同好会とJR九州に厚く御礼申し上げたいと思う。