特集・コラム

関西発夜行列車復活!「WEST EXPRESS銀河」一番列車乗車記Vol.1

2020.09.23

text&photo(特記以外):ユージ

▲車体カラーとなっている瑠璃紺色はかつてのブルートレインを彷彿とさせる

 多くの夜行列車が廃止された今、残る定期列車としての夜行列車は「サンライズ出雲・瀬戸」一つとなってしまった。真夜中を列車で走り抜けていく非日常感や、開放B寝台で眠るあのひと時は過去のものとなってしまったのかと思っていたが、この令和の時代にそれが新しい形となって復活した。

 今回は、9月11日に運行開始した、注目の「WEST EXPRESS 銀河」運行初日、一番列車に幸運にも乗車することができたので、その旅の模様を余すところなくお伝えしたい。

 

■「WEST EXPRES銀河」の旅の始まり

 2020年9月11日、私は一番列車に乗るため京都駅へ向かった。駅に到着すると、発車する31番線の前には、ポスターや記念写真用のボードが設置され、人々が写真を撮っていた。

▲京都駅嵯峨野山陰線ホームに設置されたフォトスポット。頭端式ホームが上野駅を彷彿とさせる。

 「WEST EXPRESS銀河」の乗客たちは、出発の30分前に31番線の前に集合することになっている。しばらくすると電光掲示板に「WEST EXPRESS銀河 出雲市」と表示されていた。夜行列車に乗るときは、いつもこの電光掲示板に表示される、日常とは遠い場所の地名に胸が躍る。高鳴る期待を胸に、ツアー添乗員につれられて31番線ホームの乗車位置へ向かった。そこでは、たくさんの取材陣が待ち受けており、乗客に取材していた。

▲電光掲示板に表示された「WEST EXPRESS銀河」出雲市行の表示

 ホーム上で待っていると、到着アナウンスが流れた。いよいよ来る。この瞬間はなぜかいつも若干の緊張感が走る。少しすると、瑠璃紺色の車両が31番線に入線してきた。その外観は、夜の暗闇に混じるような、かつてのブルートレインに似た感じがした。嵯峨野線の頭端式のホームも相まって、中学生の時に乗った寝台特急「北斗星」の上野駅の入線を思い出させる、そんなシーンだった。

▲普段、山陰方面の特急が発着する京都駅31番線に入線する「WEST EXPRESS銀河」

 4号車の扉のみが開き、添乗員に導かれて早速乗車した。車内は、国鉄型車両を改造したとは思えないほど綺麗で、明るい色を基調としたシンプルで暖かみのあるデザインとなっていた。

▲4号車に設けられたフリースペース「遊星」

 

▲今回利用した5号車の「クシェット」は、ノビノビ座席ではあるものの昔のブルートレインのB寝台を彷彿とさせる横になれる座席となっている。

 

■「WEST EXPRES銀河」、出発

 21:15、出発式と同時に「WEST EXPRESS銀河」はゆっくりと動き出し、たくさんの人に見送られて京都駅を出発した。発車すると、うなるようなモーター音と大きめの揺れが、この車両が117系であることを実感させた。京都線内では待避線に入りながら進むため、特急や新快速はもちろん、普通列車にも追い抜かれながら次の停車駅、新大阪へ走っていった。
 新大阪駅、大阪駅には「WEST EXPRES銀河」を一目見ようと、大勢の人が押し寄せていた。かつては、多くの夜行列車が発着していた大阪駅に、今まさに西行きの夜行列車が止まっていることを思うと、とても懐かしくなった。たくさんの人に見送られながら大阪駅を出ると、待避線に入ることなく次に三ノ宮駅に停車。そして、次の停車駅姫路駅へ向けて列車は夜の街を横目に走り出した。

新大阪駅に到着した「WEST EXPRESS銀河」

’20.9.11 東海道本線 新大阪 P:松田信彦(鉄道投稿情報局より

 

▲大阪駅に「WEST EXPRESS銀河」を一目見ようと集まった人たちでホームはごった返していた。

 

■姫路駅でのドリームコラボが実現

 夜も更けた23:48、列車は姫路駅に到着した。播但線や姫新線の構内留置編成が、翌朝の始発に向けて眠りにつき始めており、夜の駅の雰囲気を醸し出していた。ホームに降りると名物駅そばと駅弁、日本酒がこの列車の乗客を出迎えてくれた。姫路駅での停車時間は50分ほど、そのため夜の駅での時間をゆったりと過ごすことができた。

▲停車時間にゆとりがあるため反対側ホームから写真を撮ることもできる。

 さらにこの日、本来は本線上ですれ違う予定だった上り東京行き「サンライズ瀬戸・出雲」の到着が40分ほど遅れ、図らずも姫路駅で銀河とサンライズの並びが実現した。夜行列車が二本並ぶ光景をみると胸が熱くなった。

▲姫路駅ですれ違った「サンライズ出雲・瀬戸」と「WEST EXPRESS銀河」

 姫路駅を0:42に発車した後、先ほど購入した日本酒を片手に、フリースペース「遊星」で晩酌した。真夜中の列車内で何も考えずに、流れる夜の車窓をみながら飲む酒は普段とは一味違った。

▲姫路駅の名物そば屋「まねき」特製の駅弁「兵庫五国酒肴弁当」

 夜行列車は深夜バスのようにシートベルトに縛られることなく、広い車内で沿線の夜景を見ながら自由に過ごせる。お酒を飲んでも、お菓子やおつまみを食べてもいいし、友人と楽しくおしゃべりしてもいい。まさに、夜行列車は自由なのだ。
 お酒を飲み終わると、酔いもほどよく回り眠りについた。ガタンゴトンという音が心地よく寝床に響いていた。

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🔶列車で目覚める朝「WEST EXPRESS銀河」一番列車乗車記Vol.2

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