text&photo(特記以外):芦原やちよ
取材日:’20.9.5
去る2020年9月5日、413系による団体臨時列車「懐かしの国鉄型車両で行く 北陸本線の旅」が金沢~敦賀間を往復で走行した。この列車には別途「急行あわら」という愛称が、主催の「のんびりツーリズム」と「たび鉄同好会」により命名された。
今回、ご縁があり、この列車に乗車する機会があったので、その様子をレポートしていく。

’20.9.5 北陸本線 牛ノ谷~細呂木 P:原田大輔(鉄道投稿情報局より)
■主催者の願いが込められた列車
団体主催の「のんびりツーリズム」代表の方は、地元を走っている413系を、新型車両導入による引退前の思い出として団体貸切で走らせたいと考えていたとのこと。今回、着想から一年程を要して団体列車の主催経験が豊富な「たび鉄同好会」との合同で実現させることができた。
関係各所との調整や天候の不安、さらには新型コロナウイルスの影響も心配されたが、万全の対策の下、無事9月5日に発車することが叶った。

▲福井駅ホームに停車中の団体臨時列車413系。
■普段は入線しない福井県エリアへ
車両が普段走行しない区間へ入線することは団体列車の醍醐味のひとつ。今回も七尾線用の413系が福井県の敦賀駅まで入線するという、かつての北陸本線の長距離列車を彷彿とさせる珍しい機会となった。北陸トンネルやデッドセクションの通過など、この系式がここへ来ていた当時を知るレイル・ファンにはたまらない区間設定であった。

▲七尾線車両が普段入線することがない敦賀駅。定期では走行しない区間へ行けるのも貸し切り列車の特権だ。
■随所に残る急行型の面影
急行型471・473系の車体更新により生まれた413系の車内には、今もなお急行型電車の雰囲気が色濃く残っている。特にクロスシートがずらりと並ぶ車内中央付近を見ると、かつての急行列車の残り香を感じることができ、ひたすら駅を通過するダイヤも相まって、さながら現役当時の北陸本線の急行を思わせる車内だった。

▲クロスシートが並ぶ車内に夕暮れの西日が差し込む様は、まるでタイムスリップしたかのような雰囲気があった。
■記念撮影用車内掲出ヘッドマークについて
今回、たび鉄同好会の紹介により、私が記念撮影用のヘッドマークをデザインする運びとなった。「急行あわら」自体は架空の急行列車だが、なるべくリアリティが出るようにデザインし、朝焼けに染まる芦原地方の景勝地である東尋坊を描いた。色鮮やかなヘッドマークとなり、多くの参加者に好評で嬉しい限りであった。

▲実際に車内で展示されたヘッドマーク。事情により、実際の列車先頭部には取り付けられていない。
■最後に
2020年10月、七尾線に待望の新型車両、521系100番代の導入が予定されている。413系のみならず、七尾線を走るすべての国鉄型車両が来年春には引退するものと思われる。今回のツアーは、全国的に少なくなった国鉄型車両で、かつての急行列車を疑似体感する貴重な機会となった。またヘッドマークのデザインまでさせていただいたことを、この場を借りてお礼申し上げたい。
皆様もぜひ、七尾線で最後の活躍をする懐かしい車両たちに会いに行ってはどうだろうか?
- 稲刈りシーズンの田んぼが広がる
- 近未来的な雰囲気の福井駅
- 今回の充当されたのはB09編成であった
- 長距離走行の合間のひと時
- 北陸トンネルの突入の瞬間
- 指差し確認
- 七尾線色の413系が敦賀まで入線
- 駅名標と絡めて一枚
- 駅名標を反射させ、発車を待つ
- 天気にも恵まれ、車窓から夏らしい雲も見えた
- 夕刻の日差しが413系を浮かびあげる
- ずらりと並ぶクロスシート
- シートに西日が差し込む
- 記念撮影用ヘッドマーク
- 多くの参加者が撮影していた
- ヘッドマークとは別にサボも用意
- 年季の入った運転台
- 回送列車。金沢駅の駅名標を反射して去っていく






















