特集・コラム

非電化区間の最新システム―ディーゼルハイブリッド動車 第1回―

2020.05.29

■シリーズ式ハイブリッド車の基本機構と電車との共通化
 気動車のディーゼルエンジンの欠点として、有害物質や、粒子状物質が多く排出されるほか、燃料消費量が多い傾向であることが挙げられる。そこで、高負荷時や低速運転時にモーターで車軸を駆動させたりすることで、性能向上や燃費低減を図ろう、というのがハイブリッドシステムであり、エンジンとモーター、あるいは発電機と充電池など動力供給源が複数あることを指している。
 現在、ハイブリッドシステムには大別して2つの系統がある。まず、現在自動車分野において実用化され普及が進んでいるパラレル式ハイブリッド方式は、推進軸の回転力を電動機が補助しており、走行の基本原理は「気動車」である。もう一方のシリーズ式ハイブリッド方式では、図の様にエンジンは直接車軸を駆動することはなく、専ら発電に用いられる。ここで発電された電力と、充電された電力を用いて、電動機を駆動させて走行する、いわば走行の基本原理は「電車」である。
シリーズ式ハイブリッド車の動作イメージ 編集済.png
 動力伝達の効率性だけを考えれば、変換ロスなく伝達できるパラレル式の方が高効率と考えられがちであるが、鉄道車両で普及した方式は後者である。理由として、鉄道各社は次世代の気動車を開発するにあたり、電車との共通性の確保を命題として取り組んできたという背景がある。
 特にJR東日本はハイブリッド気動車の開発に早く取り組み、シリーズ式の技術開発に注力してきた。現在では実際に営業投入されたシリーズ式ハイブリッド車も多い。また、蓄電池式車輌や燃料電池車の開発にもこの技術は応用されており、技術応用が利きやすいのも大きな特徴である。
kihaE200_600.jpg

JR東日本キハE200形 世界初のハイブリッド式鉄道車両として実用化されたキハE200形は小海線に投入された。試験営業後、そのまま現在も小海線で営業運転を行っている。’07.4.17 長野総合車両センター P:RM


図表はクリックでポップアップします。

本文:児玉光雄 要約・再構成:RM レイル・マガジン433号より

 

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