text:鉄道ホビダス編集部
photo:RM
かつて「日光戦争」と呼ばれるほど日光への観光需要を激しく奪い合った国鉄と東武鉄道。国鉄民営化後、JR東日本と東武は直通運転という形で手を携え、両社直通特急は今年で運転開始20周年を迎えました。
JR・東武直通特急といえば、現在では253系1000番代が活躍しており、最近では直通20周年を記念した同車の塗装変更が話題となっていますが、253系が投入されるまで、JR東日本の東武直通の優等列車では国鉄型車両たちが活躍していました。
その車両が、中央線特急「あずさ・かいじ」のE257系化により同線を押し出されて観光用車両とされた189系「彩野(あやの)」と、東武直通用に改造された485系です。いずれも国鉄型の特急電車でありながら、新天地での活躍に対応するため、独自の改造や塗装変更が施されていました。
報道公開当時の写真からは、まだ新しさを残した塗装やロゴ、各部のディテールなどが記録されており、現在の姿とはまた違った魅力を放っています。
今回は、253系の塗装変更が話題となる今だからこそ振り返りたい、直通特急黎明期の車両たちの姿を、レイル・マガジンの取材写真で紹介します。
■189系「彩野」
●外観
デビュー時の189系「彩野」。朱色と黄色の独特なカラーリングで非常に目を引く。

車両端部に描かれたロゴ。日光方面への使用を中心に想定されていたため、カラーリング含め「華やかな日光の紅葉」をイメージしたデザインとなっている。
●内観
車内端部。壁にもロゴが配されている。
■東武直通特急用485系
●外観
特急「日光」「きぬがわ」用485系直通車。日光特急としての印象を付けるため、東武100系スペーシアと同色の塗装となった。東武直通の日光特急といえばこのカラーリング、という人も多いだろう。
●運転台

東武鉄道に直通するため、東武形ATS・列車無線などを搭載する改造を受けた。
■東武直通後の189系「彩野」編成
●外観
485系と同じ配色に塗装変更された189系「彩野」編成。485系の予備車として活躍した。
●内観
内観についてはほとんど変更がなく、外装の「彩野」ロゴはなくなったが、室内のロゴはそのままとなっていた。
新旧交代が進む鉄道の世界において、こうした過渡期の記録は貴重な存在です。後継形式が活躍する今、あらためてその源流を辿ってみるのも面白いのではないでしょうか。

