text & photo:鉄道ホビダス編集部
取材日:’25.7.1 場所:東臨運輸区
取材協力:東京臨海高速鉄道

現在りんかい線の主力車両である70-000形の置き換え用として、2025年度下期に営業運転開始予定となっている71-000形ですが、今回同車の報道公開が行われました。
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■イルカが微笑んでいるようなチャーミングな前面

基本的には総合車両製作所(J-TREC)製のオールステンレス車体を採用し、雨樋や扉や窓の枠材を外板の内側に収めたことで、フラットな外観となって、美しさのほかメンテナンス性も向上しました。
何より丸みを帯びた前面は非常に印象的で、イルカの微笑みをイメージしたというチャーミングなデザインが目を引きます。また、デザインは側面に向かってウエーブを描くように回りこんでおり、飛び立つようなスピーディーさも感じられます。
前面廻りの色はブルー・ホワイト・ ターコイズグリーンと、先代である70-000形から受け継いだカラーリングとし、りんかい線らしさを表現しています。
窓廻りの造形もこだわり抜かれており、行先表示上部分にはくちばしのように飛び出した意匠や、前面下部分も曲線に沿って立体的に膨らみが持たされています。
■青のグラデーションが美しいサイドビュー

側面はエメラルドブルーのグラデーションが美しい。東京湾の波をイメージした3本ラインやわかりやすくまとめられたピクトグラムが目を引く。
側面はエメラルドブルーのグラデーションのラッピングを窓廻りから腰部にかけて大胆に施し、東京湾ウォーターフロントの水辺の風景をイメージ。さらに水色の3本のラインが波打つようにデザインされており、こちらは東京湾の波をイメージされたといいます。
なおこれら外装は社内で意見をまとめ、それを製造メーカーである総合車両製作所のデザイナーに伝えることでフィードバックされたものになります。
■開放感ある明るい車内

車内は基本的に明るい色で構成され、細かい部分も工夫することで開放感や清潔感ある仕上がりになっています。袖仕切りは透明に、荷棚もパイプ式にすることで明るい空間を実現し、照明も天井に明かりを反射させていることで、柔らかい光が車内全体に広がっています。
妻面は紺色でまとめられており、よく見ると横方向の木目デザインが見えます。これは70-000形の木目調車内をイメージした遊び心であるそうで、ここにも先代車両の意匠が受け継がれていると言えます。また、よく見ると床にも黄色い砂模様のようなデザインが施されており、こちらはお台場海浜公園の砂浜をイメージしているようです。
■床下機器や装備は?

そのほか、車内には全車フリースペースを設けることでバリアフリーにも対応。これらは車端部にわかりやすくピクトグラムで表示されており、案内もわかりやすくなっています。台車はボルスタレス台車とされ、制御装置には三菱電機製VVVFインバーターを採用。クーラーの冷房能力は70-000形と比較して約20%も性能向上しており、さらに微粒子イオンによってカビや花粉、菌、不快な臭いなどを抑制して、快適な車内空間を実現しています。
遊び心やデザインのこだわりが際立つ71-000形。70-000形と同じように、長く愛される車両になることでしょう。



