東急電鉄は2月28日、現在大井町線の各駅停車で使用している9000系および9020系の置き換えのため、5両編成の「6020系」を2025年夏以降、順次導入することを発表した。なお、導入車両数は18編成計90両で、9000系および9020系の全てが6020系に置き換わる予定。
6020系は、2018年に導入した田園都市線の「2020系」および大井町線急行列車用の「6020系(7両編成)」、2019年に導入した目黒線・東急新横浜線の「3020系」からなる「2020系シリーズ」と同様に、車内には快適性を高めるため空気清浄機を設置し、座席は背もたれの高いハイバック仕様を採用する。また、ドア上に配置するデジタルサイネージでは、多言語案内の充実を図るとともに、ニュースや天気予報など充実した情報サービスを提供する。
安全面では、車両機器を常に監視できる大容量情報管理装置を採用しており、車両故障の未然防止を図ることで運行のさらなる安定化を実現する。また、9000系および9020系と比べ騒音の低減や使用電力の削減を実現し環境に優しい車両となるとのこと。
「2020系シリーズ」のデザインは、東急株式会社が展開する東急線沿線の商業施設などのデザインを手掛ける株式会社丹青社が監修しており、本車両も先に導入した大井町線急行列車用の「6020系(7両編成)」と同様に、エクステリアは、コンセプトカラー「INCUBATION WHITE」(美しい時代へ孵化していく色)を基調とし、車両の先頭形状はまるみを帯びたやわらかみのある顔をイメージするとともに、大井町線のラインカラーであるオレンジ色の帯を車両前面及び側面に施す。また、インテリアは、東急線沿線の風景をイメージした座席や、照明も含めた車内全体のカラーコーディネートにこだわり、親しみやすさと心地良さを感じてもらえるデザインとした。
詳細は以下の通り。
▲6020系エクステリアイメージ(6020系7両編成車と同仕様となる)
■導入時期
2025年夏 (以降、順次導入予定)
※営業開始日については決まり次第、改めて告知。
■導入車両数
90両(5両×18編成)
■コンセプト
東急グループの存在理念である「美しい生活環境を創造し、調和ある社会と、一人ひとりの幸せを追求する。」のもと、利用者や地域社会との信頼関係の中で、一人ひとりの幸せを運び続ける存在となることを目指している。その実現に向け、本車両は、さらなる安全性と快適性を追求し、また「沿線の街や駅との調和」や「美しい生活環境」といったキーワードを大切にしながら、沿線の利用者に親しみをもっていただけるような外観、車内空間となっている。
■主な特徴
●快適性の向上
・「ナノイー(※)」方式の空気清浄機の設置と、冷房および暖房機能の向上により、車内環境を改善。※「ナノイー」はパナソニック株式会社の商標。
・座席はハイバック仕様を採用し、座り心地を改善。
・ドア上に液晶ディスプレイを配置し、多言語案内の充実化を図るとともに、ニュースや天気予報など充実した情報サービスを提供(1両あたり16台)。
・荷棚の高さを低い位置とし、荷物の積み下ろしがしやすい形状を採用。
・フリースペースを全車両に設置し、車いすやベビーカーをご利用のお客さまに配慮。
●環境性の向上
・低騒音型の主電動機や駆動装置の採用により、車外および車内の騒音を現行の9000系と比較し
約10%低減。
・高効率半導体素子を用いた制御装置による主電動機の高効率駆動や、車内の全照明と前照灯、尾灯
へのLED採用により、使用電力を現行の9000系と比較して約40%削減。
●安全性の向上
・機器の状態監視が常時可能な大容量情報管理装置の採用により、車両故障の未然防止を図り、運行
のさらなる安定化を実現。
・踏面ブレーキとディスクブレーキの併用によるブレーキ性能の向上。
▲車内イメージ(以上2点はいずれも東急電鉄公式ウェブサイトより)
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東急電鉄公式ウェブサイト(概要)
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