185系

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消えたと思ったら!大人気の国鉄カラー 近年何度も蘇る「スカ色」今はどこで見られるの?

2025.02.14

text:鉄道ホビダス編集部

 1950年代に横須賀線の電車で採用されたのを発端とする「横須賀色」。その後は総武本線や中央本線、さらには飯田線の旧型国電でも見られました。直流近郊型電車で長らく親しまれたカラーリングで、現在でも横須賀・総武線で活躍するE235系の帯色にこの配色が採用されています。
 そんな中で、車体全体に施される「塗装」としてのスカ色は、ここ数年の間は消滅しては復活してを繰り返しています。今回はその人気ゆえに何度も蘇る「スカ色」の近年の動向と、現在見られる場所について見ていきましょう。

【写真】115系スカ色の写真をもっと見る!

■スカ色リバイバルC1編成の引退

▲信越本線を行く115系C1編成。塗分けのRがきつくなっているのがわかる。

‘15.3.1 信越本線 牟礼―古間 P:酒井健一郎
(鉄道投稿情報局より)

 JR東日本の長野総合車両センターに所属した115系C編成のうち、C1編成が2014年3月にスカ色に塗り替えられました。中央本線を中心に活躍した同編成。先頭車側面にJRマークはなく、さながら国鉄時代を彷彿とさせる姿となりました。
 とはいえ、このC1編成はオリジナルのスカ色とは異なる点も多く、特に前面貫通扉の塗り分けのRはきついものとなっており、顔の印象に違いが見られます。

 このC1編成は塗り替えられた後もしばらく中央本線を中心に活躍を続けましたが、2015年11月で引退。このC1編成は、同じくスカ色を纏っていた豊田車両センター所属の115系が2015年1月に引退して以降、当時営業車として最後のスカ色(塗装)を纏った電車でした。

■しなの鉄道での復活と引退

 C1編成が引退してしばらくの空白期間が生まれたスカ色。このまま過去の塗装となっていくのかと思われました。そんな中、しなの鉄道の「懐かしの車体カラー」企画の一環として、2017年夏に復活することとなります。3両編成1本が復活したのち、2018年秋には2両編成1本が追加で塗り替えられてからは、度々スカ色同士の併結運転も見られました。
 しばらく他のリバイバルカラーを纏った115系たちと活躍を続けましたが、いずれの編成も2021年秋に引退。再びスカ色は過去帳入りすることになり、多くのレイル・ファンが別れを惜しみました。

■E127系「田島塗り2号」登場としなの鉄道での再復活

▲えちごトキめき鉄道ET127系の「田島塗り2号」。

‘24.5.5 えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン 高田 P:宮島昌之
(鉄道投稿情報局より)

 2021年秋、えちごトキめき鉄道のET127系へのフルラッピング広告という形で実現した「田島塗り」。これは黄色と赤のツートンカラーの通称「新潟色」を纏った旧型国電を模したもので、シルヘッダーやプレスドアといった、緻密なディテール表現が話題を呼びました。
 その第二弾として2024年5月に登場したのが「田島塗り2号」です。今度は青とクリームのスカ色をモチーフとしており、特に飯田線の旧型国電の装いをイメージした外観に仕上がっています。新たな試みとして、窓柱と窓桟の表現も追加されたほか、「クハユニ」風の装いとするために、窓の一部には保護棒が再現され、「郵〒便」マーク風の「三星」ロゴを配するなど、随所にこだわりを感じる仕上がりのラッピングになっています。

 厳密に言えば「塗装」ではなくラッピングではありますが、スカ色はこうして再び本線上の営業列車で姿を現しました。その後を追うようにしなの鉄道の115系においても、スカ色が復活することになります。これは同社の115系が2028年まで順次引退していくのを前に企画された「プロジェクト115」の一環によるもの。同線では約3年ぶりの115系スカ色復活となり、大きな話題となりました。現在ではこの2編成が車体帯ではない「スカ色」として活躍を続けています。

 時代を超えて愛されるスカ色。その勇姿はまだしばらく楽しむことができそうです。

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