▲白をベースに、赤色のラインや模様が描かれた「ひなび(陽旅)」。
text & photo:RM
取材日:’23.11.22 試乗区間:盛岡~花巻
取材協力:東日本旅客鉄道盛岡支社
JR東日本盛岡支社が、来る2023年12月にデビューさせる新しい観光列車「ひなび(陽旅)」の報道向け試乗会が行われました。ここでは車両の内外の特徴的な部分をお伝えしましょう。
車両は、2010年に製造された「リゾートあすなろ」HB-E300系2両編成を改造したもの。ハイブリッド方式の気動車で、五能線の「リゾートしらかみ」や新潟地区の「海里」などとも同系列の車両になります。「リゾートあすなろ」は元々2両編成2本が在籍していましたが、今回「ひなび」に改造されたのは車番が3の編成です(もう1本の4番の編成もやはり新しく「SATONO(さとの)」に改造中、つまり「あすなろ」としては既に消滅しています)。
なお「ひなび(陽旅)」という列車名は、この列車に乗って岩手・青森の自然を車窓から感じ、「ぬくもりのあるゆったりとした旅」をしてほしいという想いから名付けられています。
■車体外観
形状的には「あすなろ」からの変更はないようで、配色・デザインの変更が主になります。「白地に赤ライン」というのは盛岡支社管内の気動車でかつて広く用いられた「盛岡色」からの引用です。
2両編成の中央に山を連想させ、波や川の模様、花吹雪などを配置して豊かな自然を表現しています。
■インテリア
1号車と2号車では車内を完全に作り分けており、1号車がグリーン車、2号車が普通車となっています。グリーン車はグループ旅行でくつろげるよう4人掛けボックスシート・2人掛けボックスシート・1人掛けシートを配置。普通車は2人掛け(一部1人掛け)のリクライニングシートを中心とした車両となります。
▲1号車(グリーン車)の車内。左手が4人掛け、右手が2人掛け。
この「ひなび(陽旅)」、12月23日に東北本線・釜石線での団体臨時列車としてデビューする予定。盛岡・青森の両県エリアに新しい風を吹き込んでくれるに違いありません。