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渋谷地下化10年ってホント?相鉄直通開始で変わる東急線 注目の車両運用は!?

2023.03.16

text:鉄道ホビダス編集部

‘13.2.9 東急電鉄東横線 渋谷 P:濱田昂之
(鉄道投稿情報局より)

 2013年3月16日、長年親しまれた東急東横線渋谷駅が地下化され、東京メトロ副都心線と直通運転を開始しました。これにより、元町・中華街からみなとみらい、横浜、渋谷、池袋を経由し、西武池袋線所沢、飯能方面、または東武東上線和光市、森林公園、小川町方面へと一本の線路で繋がりました。あれから早10年。今もなお東急線沿線は変貌し続けています。

■懐かしの地下化前夜の様子

▲副都心線が渋谷まで繋がり、全線開業となった頃の渋谷駅。当時はまだ東急は乗り入れておらず、副都心線の単独駅だった。写真の西武6000系は試運転列車だが、「新線池袋」行きの行先が時代を感じさせる。

’08.6.12 東京メトロ副都心線 渋谷 P:RM

 東急東横線が乗り入れる以前の地下渋谷駅は、東京メトロ副都心線の単独駅として2008年に先行して開業しており、副都心線の車両のほか、西武鉄道と東武鉄道の車両も直通運転を行なっていました。この副都心線渋谷駅が開業した当初、東横線方面へはレールは伸びているもののホームの途中で壁ができており、まだまだ工事中といった雰囲気を醸し出していました。

 そうした中で、2013年3月15日まで使用されていた東急東横線旧渋谷駅ですが、乗り入れ開始に際して東京メトロの車両が試運転のほか、先行して営業運転に就いたりしました。これによりわずかな期間でしたが地上の渋谷駅に地下鉄の車両が乗り入れる、という不思議な光景を目にすることができました。

 さらに直通運転開始を前に5050系に置き換えられる形で東急9000系が東横線から引退。トップナンバーとなる9001Fには引退記念のヘッドマークとステッカーが装着されたほか、優等列車運用時にはなんと急行灯も点灯するなど、引退と開業の盛り上がりを同時に見ることができました。
 この後東横線用9000系は全て5両に短縮の上東急大井町線に転属。現在でも活躍する姿を見ることができますが、大井町線にも新型車の導入が発表されており、今後の動向が注目されます。
 また副都心線との直通に際して、それまで中目黒から直通運転を行なっていた東横線と東京メトロ日比谷線は乗り入れを終了。同時に当時の日比谷線の規格に合わせて製造された3ドア18m級の東急1000系も東横線から引退しました。なお、東京メトロ03系については営業運転での東急線乗り入れは終了したものの、田園都市線鷺沼駅に隣接する東京メトロ鷺沼車両基地にて検査を受けるため、ダイヤ改正後も月1回ペースで東急線内を走行していました。これは後継の13000系も同様で、直通運転終了後に登場した車両ながら、こうしたイレギュラーな場合にのみかつての乗り入れ先に今も顔を見せています。

■地下化により5社直通開始!多様な乗り入れ電車が魅力

▲東急線内で顔をあわせる東武50070型と東京メトロ10000系。5社による直通運転開始は新時代の始まりでもあった。

‘13.3.16 東急電鉄東横線 自由が丘 P:福田智志
(鉄道投稿情報局より)

 そして2013年3月16日、それまで副都心線のホームだった地下の渋谷駅に東急東横線が接続。5社の直通運転が開始されることとなりました。これにより多数の車両が各社線に乗り入れることになったほか、東急目黒線との重複区間においては同路線の乗り入れ車も見ることができるため、多様なバラエティーがある各私鉄電車が一堂に会する路線となりました。

 また、同一系式内でも仕様やカラーリングが異なる車両によって、その乗り入れ車バリエーションは多岐に亘ります。例えば、東武9000系列は製造時期やマイナーチェンジにより車体がコルゲートか、ビードプレスかと違っていたり、西武6000系も同様にアルミ車とステンレス車が存在していたり、東急5050系4000番代の4110Fには「Shibuya Hikarie号」ラッピングが施されており異彩を放っていたりと、車種だけでなくその形態差やラッピング車なども沿線を賑わせています。

■新横浜開業&相鉄直通開始でより賑やかに

▲報道向けに公開された7社局の並び。乗り入れによってさらに神奈川県東部への利便性は向上するだろう(西武の車両は相鉄・東急直通線には乗り入れない)。

’22.3.31 東急電鉄 元住吉検車区 P:RM

 10年前、5社直通運転が始まったことでより盛り上がりを見せた東急東横線ですが、来たる3月13日のダイヤ改正で東急新横浜線と新横浜駅が新たに開業し、相鉄線との相互乗り入れがいよいよ実現します。相鉄とは東横線の他に目黒線にも相互乗り入れをすることとなっており、直通車両のバリエーションはさらに増えることとなりそうです。また、相鉄線側では東横線用の10両、目黒線用の8両による西谷〜横浜間の相鉄線内完結運用が設定されており、東急へ直通する相鉄新横浜線方面へは向かわない東急車の運用として、レイル・ファンからは密かに注目されています。特に目黒線用ながら、新造時暫定8両を組成して東横線を運行した実績のある3000系に関して、「地上の横浜駅に再び現れる!」としてSNSを中心に話題に。

 もちろん相鉄従来の車両や、埼京線から乗り入れてきたE233系7000番代と東急車が顔をあわせるシーンも試運転時から展開されており、直通によって実現する車両たちの組み合わせはより広がっていきます。

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