text & modeling & photo:根本貫史(RMM)
近年のNゲージ完成品は、手を加える余地がないほど完成度が高く、あっても付属のユーザー取付パーツやステッカーを貼る程度で十分楽しめます。とはいえ新製品の中にも旧来の製品をベースに仕様変更したものも多く存在しています。ここでは、KATOの651系をベースにしたラウンドハウスの651系1000番代「スワローあかぎ」をちょい足しモデリングでハイグレード化した作例を紹介します。
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■「タイプ」と呼ばれる所以
先日のダイヤ改正の概要発表で、「あかぎ」「草津」にE257系リニューアル車が導入されることが発表されました。さらに「スワローあかぎ」は「あかぎ」に統合、「草津」は「草津・四万」にその名前を改めるといったことも発表になり、高崎線特急は大きな変革の時を迎えています。特にJR東日本が初めて開発した特急型電車であり、かつ在来線で初めて130km/h運転を行なったというエポックメイキングな651系の去就は注目を集めています。
そんな今後が気になる651系ですが、ラウンドハウスから発売された651系1000番代「スワローあかぎ」には、品名に「タイプ」を謳っています。一体どこが「タイプ」なのか。それはKATOの651系「スーパーひたち」をそのままベースにしており、直流化した1000番代では撤去されたパンタ周囲の交流機器類が残留しているところにあります。パンタは実車同様シングルアーム化していますが、これも流用品のようで実車とは形状が異なります。まずはこれらの「タイプ」と呼ばれる所以を解消しましょう。
■色差し&スミ入れ
続いて塗料を使ったちょい足しをします。まずは屋根上の空調カバーと乗務員室内を塗装しします。空調カバーはスプレーまたはエアブラシによる塗装となりますが、乗務員室内は筆塗りで十分です。さらにディテールや経年の汚れを表現するため、エナメル塗料によるスミ入れとウォッシングを施します。これは好みによりますが、あまり汚したくない場合は、空調カバーと乗務員室内の塗装に留めておきましょう。
■LED化で明るく省エネ!
製品のヘッド・テールライトは旧来の電球仕様。さらにオプションの専用室内灯も電球なので、これを白色LEDに換装しました。ハンダ付けを要するので、ちょい足しにしてはやや高度な作業になります。ヘッド・テールライトは基板上のパーツを換装、室内灯は手軽に済ませるため、KATOのLED室内灯クリアの基板を組み込む構成にしました。
■完成!
ちょい足しメニューは各部へのスミ入れとタッチアップ。床下機器はスミ入れ塗料(ブラウン)でウォッシングしています。台車は1000番代化の際の検査で再塗装しているので、成型色のままスミ入れ塗料(ブラック)でディテールを強調し、存在感を持たせてみました。
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今回は651系のタイプ品を実車に近づける加工なども施しましたが、スミ入れや色差し、ちょっとした内装の一手間といったちょい足しディテールアップは他の車両でも応用可能です。ぜひ自分のコレクションをよりリアルにするためのタッチアップにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
※こちらの記事は『RM MODELS 230 2014年10月号』の記事から抜粋しており、情報は当時のものとなります。あらかじめご了承ください。
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「ちょい足し」でディテールアップ!185系200番代「あかぎ」