185系

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横軽廃止から今日で四半世紀… 鉄道模型の世界で末長く碓氷峠を楽しむ「3つのアプローチ」とは!?

2022.09.30

まとめ:鉄道ホビダス編集部
photo:羽田 洋・青柳 明(RMM)

 1997年9月30日に信越本線 横川〜軽井沢間が廃止になってから、今日で25年。廃止後四半世紀を迎えた「碓氷峠」ですが、コアなファンは数多く、いまもなお人気のジャンルと言えるでしょう。
 今回は、過去に鉄道模型誌『RM MODELS』で取り上げた碓氷峠に関連する作品や遊び方を3つ取り上げて、それぞれのアプローチ別に模型で「横軽」を楽しむ方法をご紹介していこうと思います。

■碓氷峠の「情景」を作る!

 TOMIXの広告で一際存在感を放つのが、新製品車両に合わせて製作された様々なレイアウトやジオラマでしょう。そんな中からイベントやショーで展示された「碓氷峠」のレイアウトをこちらで見ていきましょう。

 レイアウトの全景を見ると横川を出た列車は左回りの急勾配を登って行きますが、コンクリートの新碓氷川橋梁を通過後は急勾配で降下するというポピュラーな複線エンドレス配線です。情景には横川駅や横川機関区をはじめ、旧丸山変電所、連続するトンネル、「めがね橋」の愛称で知られる旧線の碓氷第三橋梁、その奥の新碓氷川橋梁と、碓氷峠の名所が複線エンドレスの中に散りばめられており、非常に見応えのあるものとなっています。

 それぞれのセクションを詳しく見てみるとまるで単体のジオラマのようなリアルな作り込みとなっていますが、それぞれの情景をうまく繋ぎ合わせており、作り込みとデフォルメの緩急の付け方が、また見る者を楽しませているように思えます。

 ちなみにこちらのレイアウトの原型が製作されたのは1996年のEF63発売の頃で、ベースサイズは3600×900mmとなっており、その後EF63がリニューアルされた際に改修されたもの。今見ても古さを感じさせない迫力あるレイアウトです。

■碓氷峠の「車両」にこだわる!

modeling:牛久保孝一

 碓氷峠専用補機として名高いEF63と、その補機協調運転に対応した交直流特急型電車である489系。どちらもKATO製で、仕様としては国鉄時代の姿となっています。それぞれ各ポイントが、元々の製品の良さを活かしつつ更なるディテールアップが施されています。

●EF63

 EF63の主な加工ポイントはスカートのエアホース、避雷器、屋上の塗り分け、ランボードの塗り分け、正面や屋上の手スリ類や、パンタや台車、床下機器など手を入れた箇所は多岐に亘り、特に台車に取り付けた速度計用のケーブルや交換したワイパー、各種色入れなどがディテールを盛り上げています。また、乗務員室に人影がチラッと見えるだけで模型の見え方は大きく変わることから、しっかりとフィギュアを「乗務」させています。

 また、手スリ類は真鍮線などに交換されており、より線の細いシャープな印象へ変わっております。屋上を中心としたキツめのウェザリングも、碓氷峠の補機として地道に活躍するEF63らしさを演出するポイントと言えるでしょう。

●489系

 489系は編成全体での雰囲気を出すために屋根色の変更と室内・床下・台車の塗装を中心に行なっています。屋根はクーラーと通風機を塗り分けてディテールアップ。ガーランド型のベンチレーターは塗り分ける手間を省くためにTOMIX製のものに交換してあります。もちろん489系の方も乗務員室には乗務員を忘れずに!


 また、交直流電車らしく賑やかなパンタ廻りも機器箱は銀色、配管などは鼠色で塗り分け。碍子類はトビカ製トップガードで黒色にした後、白を吹き、取り付け後に銀色で色差ししています。

■碓氷峠の「運転」を楽しむ!

 ここまで碓氷峠の情景や車両を見てきましたが、こちらでは「横軽」ならではの運転にこだわってみましょう。従来の直流DC運転ですと、複雑な電気配線が必要でありましたが、DCCならばポイントを除けば理論上では電気配線はフィーダー1本でOK。ここではフロアレイアウトとDCCデコーダを搭載したKATO製EF63と489系を使って横川駅の入換・連結を再現してみたいと思います。

▲まずはEF63が機関区から出庫。入換運転時を再現すべく、片点灯テールライトの再現ができるのもDCCならでは。

▲引き上げ線で待機。489系「あさま」が到着するのを待つ。

▲「あさま」が横川に到着すると、補機EF63を直ちに3番線ホームへと進入させる。

▲489系「あさま」に徐々に近づいていくEF63。少し手前で一旦停止をして、いよいよ連結!

▲連結されたのち、横川駅を発車する489系「あさま」とEF63。この後、最大勾配66.7‰という国内屈指の急勾配区間へ協調運転で立ち向かっていく…。

↓上り列車の補機解放シーンはこちらから!↓

 今回は廃止後25年が経った碓氷峠を、3つのアプローチから鉄道模型で楽しんでみました。普通列車から花形特急、またジョイフルトレインなど様々な列車がEF63を従えて通過した鉄道の名シーンを、あなたも手元で残してみてはいかがでしょうか?

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