text & photo:RM
取材日:’22.9.5 取材協力:日本外国特派員協会
東京・丸の内の丸の内二重橋ビル内・日本外国特派員協会にて、J.ウォーリー・ヒギンズさんによる写真展『昭和30年代の日本』が開催中です(9月30日まで)。9月5日には協会に加盟するジャーナリストなどが列席するオープニングセレモニーが開催されました。
▲会場となっている丸の内二重橋ビルは、皇居のお堀端にあります。
▲会場の日本外国特派員協会はビルの5階。一般の方にとっては普段来る機会がほとんどない場所で、そういう点でもちょっと興味深いです。
▲大判に引き伸ばされた写真は、いずれも高精細かつ鮮やかで、隅々まで情報量にあふれていると感じます。
ヒギンズさんは1956(昭和31)年に初来日後、半世紀以上の期間に6000点を越える鉄道写真を記録してきたそうです。現在も日本に在住されており、JR東日本国際事業本部の顧問を務めるなど、その蓄積された見識は多大なものがあります。
また、昭和30年代と言えばまだカラーフィルムが貴重で、日本人にはおいそれと使うことができないものでしたが、ヒギンズさんは駐留米軍の関係で不自由なくフィルムを調達することができ、そのコダクロームは現在でも鮮やかな発色を保っています。
もっとも、フィルム自体の調達には困らなくとも、現像は当時はハワイの現像所まで送るなどの手間が掛かりましたし、感度の低さから来る構図への制約など、人知れぬ苦労があったことでしょう。それだけにこの大コレクションの価値の高さが実感されます。
▲手前の写真は頭上に首都高を建設中の日本橋。
▲新幹線のモデル線や建設工事の模様、都電に九十九里鉄道と、興味の範囲が非常に広かったことも特筆されましょう。
御年95とご高齢のため、レセプションにはオンラインでの参加となったヒギンズさん。出品作(一部は未出品作も)をプロジェクターに映し出し、撮影時のエピソードを語ってくださいました。
▲レセプションにオンライン参加されたヒギンズさん。頭脳明晰、撮影当時の記憶も非常に鮮明のようでした。
▲作品を映し出し、エピソードを語るヒギンズさん(右下のワイプ画面)。写真は小田急線向ヶ丘遊園付近で、台風で浸水した家屋が一斉に畳を干しているシーンとのこと。
【余談】展示された銀座での都電の写真に、天賞堂の旧・旧店舗が映り込んでいました! ヒギンズさんとしてそれを意識して撮影されたわけではないようですが、鉄道模型ファンの方は、ぜひこの作品も注目いただければと思います。
▲銀座4丁目付近から数寄屋橋方向を望んだ写真の部分アップ。
■開催日時:2022年9月3日(土)~30日(金) 10:00~20:00
日曜・祝日休館
■場所:日本外国特派員協会(FCCJ)
東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビル5階
■入場無料
◆「ヒギンズさん」写真展 『昭和30年代の日本』、丸の内の日本外国特派員協会にて9月3日より開催!