東急グループは、2022年9月2日に創立100周年を迎えます。先日には記念トレインの1種が公開され、メモリアルイヤーを盛り上げていくことになりますが、2021年3月時点で230社5法人にて構成される巨大グループだけに、吸収・合併などを経て今はなくなってしまった会社もあります。なかでも、鉄道好きにとって思い出される会社のひとつに、「東急車輛製造株式会社」が挙げられるのではないでしょうか。
‘12.2.25 東急車輌製造株式会社 本社・横浜製作所 P:南 輝明
東急車輛は、鉄道車両および特装車などを製造する会社として、1948年に設立されました。鉄道車両の専業メーカーとしては日本車輌製造に次ぐ第2位の規模を誇り、総合車両製作所などに事業譲渡を行う2012年まで、親会社の東急電鉄用のみならず、国鉄・JR、私鉄各社の車両を数多く生み出してきました。
ステンレス車両やワンハンドルマスコンなど、エポックメイキングな技術を鉄道の世界に持ち込み実用化させた功績を持つ、「東急車輛」製の車両たち。総合車両製作所になってからの車両も含めて振り返ってみましょう。
▲東急5200形は、5000形の電機品・台車を使用して1958(昭和33)年に製作された国産ステンレス車第1号。外版は独特の帯状プレスを施したステンレス張りで、台枠や柱は鋼製。全長は5000系より50cm短い17.5mであった。 東京急行電鉄大井町線 等々力 P:田中健吉
▲東急7000形は、1962~66年に134両が製造された日本初のオールステンレス車で、米バッド社の技術ライセンスを取得し誕生した。登場時から東横・日比谷線乗入対応とし、最大8両編成で活躍。こどもの国線での使用を最後に‘00年6月に東急線から引退した。 ‘87.10.30 東京急行電鉄大井町線 尾山台~等々力 P:梶村昭仁
▲1966年には、輸出用オールステンレス車両としては国内初となる「台湾鉄路局DR2700形ディーゼルカー」が完成。写真は台東線の電化により引退を間近に控えた2014年に、プユマ号(写真右)とホームで並んだシーン。 ‘14.7.10 台湾鐵路管理局台東線 志學 P:松原政明
▲1966年には旧国鉄新幹線メーカーに指定された東急車輛。実際には翌67年の6次車より製造に加わっている。‘08.10.20 山陽新幹線 新大阪 P:福田智志
▲東急8000系は1969年に登場し、界磁チョッパ制御やワンハンドルマスコンなど当時最新の技術を使用した画期的な車両だった。’08.1.13 東京急行電鉄東横線 渋谷 P:福田智志
▲国鉄が本格的にステンレス車両を導入するきっかけとなった205系も、東急車輛のステンレス車両技術により誕生した。‘15.3.9 川越線 指扇~南古谷 P:佐野雄介
▲JR発足後は400系やE2系、E3系など、JR東日本の新幹線も受注・製造を担ってきた。なお、新幹線電気軌道総合試験車「East i」も東急車輛が製造した。‘10.1.23 田沢湖線 神代~刺巻 P:宮川 輔
▲東急用車両のみならず、実に多くの他社車両を製造してきた東急車輛だが、現代のお召列車としても知られるE655系については1-3号車を担当。‘19.11.27 東北本線 南仙台~名取 P:片平宏之
▲JR東日本に事業を譲渡する形で誕生したのが総合車両製作所。新世代ステンレス車両ブランド「Sustina」の第1号は、東急電鉄5050系に試作的中間車1両が組み込まれた。‘12.7.23 西武鉄道池袋線 小手指~西所沢 P:宮川政樹
▲JR東日本烏山線用の蓄電池駆動電車EV-E301系「ACCUM」は、総合車両製作所となってからの製造車両。‘14.3.9 東北本線 宇都宮 P:天本 翼
▲山手線用として登場したE235系は、「sustina」初の大都市向け通勤車両の量産モデルだった。‘19.9.28 東北本線(山手線) 御徒町 P:瀧井翔一
▲「TRAIN SUITE 四季島」用のE001形では、5-7号車を担当した。‘20.1.9 東北本線 郡山 P:厚海 陽
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