185系

特集・コラム

「2」と「7」の年に何かが起こってきた! JR東日本の新幹線の歴史

2022.01.22

text:RM

 1964年の東海道新幹線開業から58年。節目節目で開業や延伸、新型車両の導入などの「記念すべきイヤー」があった。そして今年2022年、特にJR東日本の新幹線で、その「記念イヤー」から5・10の倍数でお祝いする「周年イベント」が多数発生する。

▲東北・上越新幹線に最初に投入されたのは200系。新幹線の営業用車両はそれまで0系しか存在せず、この時にようやく2系列目の登場となったものだ。

‘07.5.9 東北新幹線 大宮 P:福田智志
消えた車両写真館より)

 まずはJR東日本エリア(開業時点では国鉄)で最初の新幹線となった、東北新幹線・大宮~盛岡間の開業。これは40年前の1982年6月23日のことだった。上野でも東京でもなく、始発駅が大宮で留まっており、上野~大宮間に185系200番代による「新幹線リレー号」が設定されたのは語り草である。

▲上越新幹線は徹底した雪対策が施され、「雪に強い新幹線」という定評を確立した。

‘12.9.17 上越新幹線 高崎~上毛高原 P:瀬戸康治
お立ち台通信より)

 次に、それと同じ年ながら少し遅れたのが上越新幹線・大宮~新潟の開業。これは1982年11月15日のことで、やはり今年40周年となる。本来は同時開業を目指していたが、群馬県内の中山トンネルでの出水事故の影響もあって、東北新幹線よりも5ヶ月遅れたのだ。

▲「新在直通」のシステムは今のところJR東日本のみで実用化されている。専用車両は在来線の車両限界が適用されるため、新幹線としては一回り小ぶりだ。写真はその初代車両の400系(新塗装)。

‘08.3.30 奥羽本線 米沢 P:楢井勝行
消えた車両写真館より)

 東北・上越新幹線は、その後1985年に上野、1991年に東京まで始発駅が延伸してきているが、その次の記念イヤーは1992年7月1日の山形新幹線・福島~山形の開業で、今年が30周年だ。「新在直通」という画期的なシステムが編み出され、既存の新幹線車両より一回り小ぶりな400系が颯爽と活躍を開始した。

▲秋田新幹線には専用車両としてE3系が投入された。「秋田こまち」をイメージさせる可愛らしい塗色だった。

‘13.5.18 東北新幹線 宇都宮 P:楢井勝行
消えた車両写真館より)

 新在直通の第2弾が、5年後の1997年3月22日の秋田新幹線・盛岡~秋田の開業で、25周年となる。山形新幹線は元々本線格の奥羽本線を新幹線としたものだったが、秋田新幹線は支線格の田沢湖線が新幹線となり、大部分が単線であったこともユニークと言えた(山形新幹線にもそれなりの規模で単線区間は存在する)。

▲長野新幹線に投入されたE2系は8連のN編成。2種の周波数に対応できることも特徴だった。P:RM

 この1997年は新幹線的にはイベントが多い年であり、10月1日には北陸新幹線・高崎~長野も開業している。これはフル規格の新幹線で、当初は「北陸」という名称ながら長野止まりであったことから「長野行き新幹線」とも案内された。1998年の長野冬季オリンピックに向けて開業が急がれたということは覚えておきたい。

▲八戸延伸を見据えて増備が行われたE2系1000番代。側窓が久しぶりに「大窓」になったことも話題となった。

‘21.3.21 東北新幹線 宇都宮~那須塩原 P:大野聡久
今日の一枚より)

 20年間も盛岡止まりのままであった東北新幹線にようやく延伸の日がやってきたのが2002年12月1日。東北新幹線・盛岡~八戸の開業から今年で20周年だ。この区間は「整備新幹線」の法的枠組みで建設されたため、並行在来線の第三セクター移行が行われ、在来線としての東北本線が途中で分断されることになった。その後、2010年に新青森まで延伸、2016年に北海道新幹線として新函館北斗まで延伸されて現在に至っている。

 以上の通り、6つの開業が今年「○○周年」の記念イヤーを迎えることで、JR東日本では「新幹線YEAR2022」というキャンペーンを開始した。記念ロゴが制定され、動画プロモーションなども電車内や駅のデジタルサイネージで展開中。今後、それぞれの記念日が近づくたびに地域の特色を打ち出したイベントが打ち出されるだろう。

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