長野県の上田と別所温泉を結ぶ「上田電鉄」では2021年3月28日、2019年の台風19号で被災した千曲川橋梁が復旧し、全線での運転が再開された。
▲営業運転再開前日の試運転で、復旧した千曲川橋梁を渡る「さなだどりーむ号」。
’21.03.27 上田電鉄 上田~城下 P:南 輝明
(今日の一枚より)
■上田電鉄のシンボル「千曲川橋梁」復活の道のり
千曲川橋梁は上田電鉄の起点となる上田と、その次駅となる城下駅との間に流れる千曲川に架けられている。大正時代から続く赤一色のトラス橋が5基連なる姿はまさに上田電鉄のランドマークといえる存在だ。しかし、そんな千曲川橋梁を2019年10月に台風が襲った。台風による増水で堤防が浸食され、別所温泉側の橋台が流出、トラス橋1基が崩落したのだ。その姿は全国ニュースでも報じられ多くの人にショックを与えた。
しかし、あれから1年5ヶ月が経ち地元や政府などの支援もあり、千曲川橋梁は見事復活を遂げた。
▲護岸工事が完了した直後の千曲川橋梁。トラス橋の復旧には、元の橋梁の部材を再利用して復旧された。
’20.8.23 P:ふくしま・さぎす
(「復活の狼煙が上がる!~上田電鉄の今~」より)
▲上田~城下間の代行輸送を担ってきた代行バス。
’20.8.23 P:ふくしま・さぎす
■1年5ヶ月ぶりの全線運転再開
3月28日、全線運転再開当日の始発列車では出発セレモニーが催された。上田駅のホームでは、多くの関係者や沿線住民がセレモニーを見守り、始発列車にも多くの人が乗り込んだ。そして午前5:55、始発列車が駅長の合図と共に発車。1年5ヶ月ぶりに上田駅のホームから列車が発車し、晴れて全線での運転が再開なった。
▲上田駅に入線した5:55発の始発列車となる「まるまどりーむ号」。ホーム上でも出発式が行われた。
画像提供:上田電鉄
始発列車は上田駅を発車すると、千曲川橋梁に差し掛かる手前で停車。千曲川右岸の堤防上でもセレモニーが行われ、テープカットと共に列車は復旧した千曲川橋梁を渡っていった。
▲当日は、千曲川橋梁手前の千曲川右岸築堤上でもセレモニーが催された。
画像提供:上田電鉄
▲沿線では運転再開を心待ちにしていた人々が列車を出迎えた。
画像提供:上田電鉄
台風被害という大きな困難を乗り越え、全線での運転を再開した上田電鉄にぜひ足をはこんでみてはいかがだろうか。
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