JR東日本は、山形デスティネーションキャンペーンに合わせ山形新幹線の魅力向上を目的に〈つばさ〉車輌のエクステリアデザインを変更する。
また地域の活性化及び観光流動の拡大にも取り組んでおり、今回山形新幹線に新幹線初となる乗ること自体が目的となる列車“とれいゆ”を運転する。
“とれいゆ”は、「食」「温泉」「歴史・文化」「自然」を温泉街のように散策しながら列車の旅を楽しんでいただくというデザインコンセプトをテーマに新幹線車輌を改造した列車となっている。
【山形新幹線〈つばさ〉】
(1)デザインコンセプト
・エクステリアデザイン
先頭部を取り巻く印象的なラインとその深い紫色は、鳥類で最も美しいと言われる紫色の飾り羽根をもつ山形の県鳥「おしどり」をモチーフとした。また、帯には県花である「紅花」の生花の鮮やかな黄色を基調に、染料に加工されるにつれ赤色へ変化していく「紅花」の色の移ろいを先頭部に向けてのグラデーションで表した。蔵王の雪の白をバックに、これらの色と形を通して山形の彩り豊かな自然の恵みと新幹線の持つ躍動感を表現した。
・シンボルマーク
シンボルマークは山形の美しい四季をあらわす4つのデザインを順番に配した。東京寄りの片面には春を表す「桜」と「ふきのとう」を、もう片面に夏を表す「紅花」と「サクランボ」、そして山形寄りの片面には秋を表す「稲穂」と「りんご」、もう片面に冬を表す「蔵王の樹氷」を並べた。
▲山形新幹線〈つばさ〉の新たなエクステリアデザイン
P:JR東日本ニュースリリースより
▲山形新幹線〈つばさ〉の新たな車輌シンボルマーク
P:JR東日本ニュースリリースより
(2)デザイナー
世界的な工業デザイナーで KEN OKUYAMA DESIGN 代表、山形県出身の奥山清行氏によるデザイン。
(3)運用開始日
2014年4月下旬頃を予定。
※2014年4月以降、塗替えを行なう。2016年度末を目途に全編成の塗替えが完了する予定。
【山形エリアに新幹線車輌初の「乗ること自体が目的となる列車」がデビュー】
(1)車輌の愛称“とれいゆ”
「トレイン(列車)」とフランス語の太陽を意味する「ソレイユ」を合わせた造語。「食(太陽の恵みによる様々な食材)」「温泉」「歴史・文化」「自然」を温泉街のように散策しながら列車の旅を楽しむ、というテーマが凝縮された列車であるという想いを込め命名した。
▲車輌のシンボルマーク
P:JR東日本ニュースリリースより
(2)列車の仕様と運行
○車輌形式
E3系(新幹線用車輌)の改造
○車輌の愛称
“とれいゆ”
○定員
143名(予定)
○営業開始時期
2014年7月以降に営業運転開始を予定。
○運行線区
山形エリア(福島~新庄間)を中心とした山形新幹線区間
○運転日
臨時列車として、土休日を中心に年間120日程度の運行を予定。
(3)列車内スペース
E3系(新幹線用車輌)を改造し運行する列車は、山形新幹線・福島~新庄間の山形エリアを中心に運行する予定。沿線に揃う、「食」「温泉」「歴史・文化」「自然」を温泉街のように散策しながら、仲間との時間や偶然の出会いを楽しむことをデザインコンセプトとした車内空間とする予定。
○12~14号車 お座敷指定席(語らいの間)
大きなカバ材テーブルとゆったりとした畳座席、天井や座席背板には山形のフルーツをモチーフとしたレリーフを装飾し、お客さまに優雅な旅の時間を提供する。
○15号車 湯上りラウンジ(モノや人との出会いの間)
畳のお座敷、本桜のテーブル、紅花色のバーカウンター、山形ゆかりの品を展示する有機ELパネルで構成した飾り棚、漆喰質の壁、石張りの小路が出会いの場を彩る。
○16号車 足湯(くつろぎの間)
紅花色の湯船が石張りの小上がりにゆったりと2槽、黒塀のような側壁、木質ルーバーで囲われる湯の間。足湯で寛ぎながら車窓を眺める旅を演出する。
(4)エクステリアデザイン
山形の中央にそびえる主峰「月山」をモチーフに、この土地のシンボルであるその姿をおおらかな円弧で表現した。カラーリングはテーマカラーの月山グリーンを中心に、山形の大動脈として流れ続けてきたもう一つのシンボル最上川の趣のあるブルーを先頭に配した。また特徴的な円弧のラインはこれまでの〈つばさ〉のイメージを踏襲しながら沿線の美しい山々をあらわし、全体を蔵王の清々しい白で包み込んだ。
デザインについては世界的な工業デザイナーで KEN OKUYAMA DESIGN 代表、山形県出身の奥山清行氏によるデザイン。
▲“とれいゆ”のエクステリアデザイン
P:JR東日本ニュースリリースより