リニア・鉄道館では、第2回企画展「高速化への挑戦 ~在来線の技術が生んだ夢の超特急~」を開催している。
この企画展では、主に東海道本線で行なわれた数々の高速度試験に着目し、新幹線誕生に至るまでの研究開発の歴史について当時の貴重な資料や映像、模型などを使って紹介している。
■開催期間
2013(平成25)年2月27日(水)~5月27日(月) ※休館日除く
■場所
リニア・鉄道館 体験学習室(2F) ※入館料のみで観覧可能
■主な展示概要
①鉄道よ、立ち上がれ
終戦後まもない1948(昭和23)年にはすでに始まっていた速度向上への挑戦。モハ52形式電車が三島―沼津間で当時の最高速度119km/hを記録。東海道本線電化後の高速化を見据えて行われた試験について紹介。
②機関車方式の限界
1954(昭和29)年、C62形式蒸気機関車が木曽川橋梁の強度試験で129km/hを記録。当時の長距離列車では主流であった機関車方式により高速化を進めていく中で、明らかになった問題点について紹介。
③電車方式の躍進
1957(昭和32)年、「新性能電車」と呼ばれるモハ90形式電車や小田急電鉄の特急形電車などを使って速度記録を更新。電車特急を生み出したさまざまな試験について紹介。
④電車特急〈こだま〉誕生
1958(昭和33)年、電車特急〈こだま〉が登場(151系電車(登場時は20系))。1959(昭和34)年、金谷―焼津間の高速度試験で163km/hを記録。電車での更なる高速走行が可能であることを実証した試験を紹介。
⑤新幹線の胎動
1960(昭和35)年、金谷―藤枝間で行われた高速度試験でクモヤ93形式架線試験車が175km/hを記録。新幹線の開発にも活かされた、高速用の軌道・架線を使用した測定や、新幹線用に試作されたパンタグラフを使った試験について紹介。
⑥東海道新幹線誕生へ
高速度試験の舞台は新幹線の試験線として建設された鴨宮のモデル線へ。それまでに在来線で確認された技術が東海道新幹線誕生へと繋がっていることを紹介。
■その他
本企画展の概要を紹介した図録を、開催にあわせて2月27日より同館で発売(500円(税込))。また、第1回企画展「ありがとう300系~のぞみの軌跡~」も引き続き好評発売中。