南海電鉄では、南海線に新型特急車輌12000系を投入し、2011(平成23)年秋頃より特急〈サザン〉として営業運転を開始する。
この12000系は、大手私鉄では初めて「プラズマクラスター技術」を採用しているのが特徴。
▼新型特急車輌12000系の外観イメージ。
イラスト:南海電鉄 ニュースリリースより(以下2点とも)
★12000系の概要
■編成数
4輌×2編成(8輌)
■運行路線
南海線(南海本線、和歌山港線)
■列車種別
特急 ※特急〈サザン〉として運用
■営業運転開始
2011(平成23)年秋頃(予定)
■座席数
1編成あたり242席
■デザイン
“ミナミへ新しい波を起こす”をイメージ
車輌先頭部から車体側面(上部)につながるブルーのラインと、車体側面(下部)に丸みを帯びたブルーとオレンジのラインを施し、「大阪湾岸・和歌山へ押し寄せる人と車輌の『波』、全国から大阪ミナミへ押し寄せる人の『波』」をイメージ。
▼車体側面のイメージ。
■主な特徴
現行の特急〈サザン〉(10000系)から以下の点を改善。
(1)より快適な車内設備
①大手私鉄で初めて「プラズマクラスター技術」を搭載。ウイルスの作用を抑制すると
ともにカビ菌などを分解・除去し、快適な空間を提供。
②座席幅を25mm拡幅した460㎜とすることで、ゆったりと腰掛けることのできるワンランク
上の居住性を確保。
③座席背面にAC電源とともに、幅430㎜×奥行き245㎜のテーブルを設置し、ビジネスユース
などに対応。
④ヘッドレストを、頭部を包み込むような形状にして、くつろぎやすさを提供。
▼客室内イメージ。
(2)バリアフリー化を推進
①現行の特急〈サザン〉と同様に車内に車椅子スペースを設置するほか、新たに車椅子対応
トイレも設置。
②扉の開閉を知らせるドアチャイムと扉開閉予告ランプを設置。
③床面縁端の高さを55mm低い1,150mmとし、ホームと車輌の段差が少ないスムーズな乗降を
実現。
④座席肩口に取っ手を設置し、車内移動時の安全性を確保。
(3)環境に配慮
①制御装置にVVVFインバータを採用して効率よく電力を使用するとともに、車体を軽量ステ
ンレスとすることで消費電力を削減。現行の特急〈サザン〉と比べて、年間約440tのCO2
の削減効果を見込み。
②従来の空気圧縮機より静かなスクロール式空気圧縮機を採用することで、騒音を低減。
③2007(平成19)年に一部の駅に導入し、節水効果が得られた無水小便器を、同車輌の男性
用トイレに採用することで、節水に取り組み。
※プラズマクラスターおよびPlasmacluster は、シャープ株式会社の商標です。