相模鉄道では20日、平成21年度 鉄道・自動車設備投資計画を発表した。投資総額は118億円で、このうち鉄道事業には108億円を投資する。
鉄道事業の主な概要は次の通り。
輸送力の増強
○司令所新設
運行管理システムと電力管理システムの改修に伴ない、運輸司令所および電力司令所を移設、運転保安度の向上ならびに異常時対応機能の向上を図る。
○共通ICカードシステム「PASMO」サービス向上に伴なう改修(継続工事)
適用範囲拡大などの改修を行なう。
○JR東日本相互直通運転関連・車輌改修(継続工事)
JR東日本との相互直通運転に関連し、既存車輌の保安装置(ATS-P・デジタル列車無線化)の準備工事等の改修を行なう。
○海老名駅ホーム拡幅
駅ホーム上の混雑緩和および安全性の向上を図るため、拡幅したホームの整備を行なう。
○橋上駅舎耐震補強
三ツ境駅人工地盤およびいずみ野駅橋上駅舎の耐震補強を行なう。
○かしわ台変電所受電装置密閉化(継続工事)
かしわ台変電所の受電装置を密閉式に改良し保安度の向上を図る。絶縁ガスには、ドライ・エアーを使用し環境に配慮。
安全・安定輸送の確保
○5000系・7000系車輌の代替
保安装置の主要機器を二重系化した新系式11000系車輌30輌を新造し、安定輸送の向上を図る。なお11000系車輌は6月中旬に営業運転を開始する予定。
○重軌条化と道床交換、法面改良(継続工事)
和泉トンネル内の軌道改良および相模大塚駅構内の重軌条化(50kgレールを60kgレールに交換)を実施し、乗り心地の向上と列車通過時の騒音・振動の軽減を図る。
また、法面改良(さがみ野―かしわ台間、かしわ台駅構内)をし、降雨時などの災害を未然に防ぐ対策を行なう。
○相模鉄道本線(星川―天王町間)連続立体交差化(継続工事)
本年度は、星川駅構内における高架橋基礎の構築と平行して、仮下り線軌道の敷設や電気設備の仮設化を実施し、本年秋に工事区間における約1.5kmの仮下り線(星川駅構内は仮2番線のみ)切替えを実施する予定。仮下り線の切替え後は、旧下り線設備の撤去とともに、工事区間のほぼ全域で高架橋基礎杭工事を進める。
○分岐器改良
二俣川駅構内・横浜方の分岐器を50K分岐器より60K弾性分岐器に交換、運転保安度の向上と乗り心地の向上を図る。
○踏切支障報知装置の新設
沿線の全踏切に非常押しボタンを新設し、異常時における保安度の向上を図る。本年度は21箇所に非常押しボタンの新設を予定(横浜―二俣川間31箇所については、平成20年度までに設置済)。
○変電所の機器交換(継続工事)
二俣川変電所、三ツ境変電所、いずみ野変電所ほかの直流電源装置交換およびかしわ台変電所の制御盤などの更新等を行ない、メンテナンスの軽減および保安度の向上を図る。
○運転士異常時列車停止装置の改良(継続工事)
乗務中に運転士の体調が急変した場合などに、列車の安全を確保するため、自動的に列車を停止させる装置を整備する。
お客様サービスの向上
○自然環境への配慮(継続工事)
省エネタイプの案内・誘導サインを各駅に順次設置するとともに、駅施設の空調設備および電車冷房装置の代替フロンタイプへ交換。さらに三ツ境駅では壁面緑化などエコステーション化を図るなど、より環境に優しい鉄道を目指す。
○行先案内表示器・自動放送装置の改良(継続工事)
主要駅の行先案内表示器および自動案内放送装置を順次改良、情報のバリアフリー化を図る。行先案内表示器および自動案内放送装置の改良については、全駅で順次実施予定。
○車輌のバリアフリー化(継続工事)
車内に車いすスペース(対象:4輌)と非常通報装置(対象:20輌)の設置、クロスシート部への吊手の設置(対象:4輌)、スタンションポールの設置(対象:16輌)、ドア開閉案内チャイムの設置(対象:10輌)などを行ない、車輌のバリアフリー化や快適性の向上を推進。
○いずみ野駅エレベーター新設
いずみ野駅にエレベーターを新設。また、横浜駅1階のイメージアップ工事や各駅階段の手すりの2段化などを行なう。