JR東海では、特急「しなの」に使用している383系の後継として、新型車両385系を導入する。本形式は「しなの」が駆け抜ける信濃~木曽~美濃地域で見られる「豊かな自然と文化の調和」をコンセプトにデザインされている。



385系の外装デザインイメージ(画像提供:JR東海)
車両外装は、日本アルプスの山並みを通り抜ける風をイメージしたデザイン。先頭車は流線形で、前面展望を楽しめそうな大型の一枚窓を装備する。また、HC85系に続いてシンボルマークが掲出されることとなっており、国内最速で曲線を走行するスピード感や、沿線の森林を表現したマークがデザインされている。


普通車(上)とグリーン車(下)の内装イメージ。ともに木目調のデザインだ
(画像提供:JR東海)
内装に目を移すと、グリーン車・普通車とも木目調のデザインが目に留まる。また、座席間には縦方向のラインが配されているが、これらの特徴は木曽谷で育まれた五種類の常緑樹「木曽五木」を再現したもの。木曽谷では古くから豊かな森林が育まれていたものの、江戸時代の建設・造船ラッシュによって荒廃が進んでしまったことから、尾張藩による厳しい森林保護政策がとられていたようだ。
なお、グリーン車の座席は鉄道車両では珍しい大胆なグラデーションが採用されているが、これは北アルプスの朝焼けと長野県花のリンドウをイメージしたもの。「豊かな自然と文化の調和」が随所に表現されているといえる。
385系は2026年春ごろに量産先行車が落成し、次世代振り子制御装置の走行試験が行なわれる予定。量産車の運行開始予定は2029年度とされている。




