
現在JR東日本が所有し、東北・上越新幹線をはじめとした各新幹線のほか、在来線のミニ新幹線や北陸新幹線のJR西日本区間、JR北海道の北海道新幹線区間へも直通するE926形「East i」。
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5方面の新幹線ネットワークを有するJR東日本は、方面毎に編成が異なることから、全方面で共通使用できる専用の検測車を2029年度に導入することを決定した。この新たな新幹線専用検測車は、同時に開発を行うE6系の後継車である次期秋田新幹線用車両をベースとして、最高速度 320km/h に対応した新在直通車両とする予定。なお、デザイン(カラーリング)についてはJR東日本グループの社員から新たに募り、社内の多様なアイデアを未来の鉄道に反映させるとしている。詳しい車両概要は下記の通り。

JR東日本が発表した先頭形状イメージ画像。(プレスリリースより)
■車両形式
E927 形
■検測開始時期
2029年度予定
■検測エリア
東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線、山形・秋田新幹線
■最高速度
320km/h
■搭載予定の主な検測装置
●軌道変位検測装置(レールの歪みを把握)
現在のE926形「East-i」では、複数のセンサを用いて基準線からレールまでの距離を測定する方式を採用しているが、275km/h を超える速度での検測には対応できなかった。今後は、床下に搭載した1つの装置にセンサ類を集約した検測方式へと移行し、E956形「ALFA-X」で試験開発してきた 2次元レーザーによる多点測定を導入するとしている。これにより、より細かく正確なデータの取得が可能となり、高速かつ高精度な検測が実現する。
●電車線金具モニタリング装置(電車線金具の状態を把握)
保守用車からの人力による至近距離検査に代わり、カメラで撮影した画像から電車線金具をAIで検知する。その画像をスクリーニングして電車線設備の良否の判定を行うことで、検査の品質を向上させるとしている。
●トロリ線状態測定装置(摩耗、高さ等を把握)
現行のレーザー光のしゅう動面(パンタフラフと接する面)からの反射による残存直径の測定から、スリット光を用いたトロリ線下部形状のカメラ撮影に変更する。取得した画像よりトロリ線の断面形状や位置を把握することで摩耗状態等を高精度に検測できるようになる。
■デザイン(カラーリング)
先述の通りデザイン(カラーリング)は、JR 東日本グループの社員の応募作品の中から選定を行う予定。デザインの監修は、E10系のデザインも手がけているtangerine社が担当する予定。選定されたデザインを考案した社員とtangerine社が連携し、2026年夏頃を目指して実車に向けた細部のデザインを仕上げていく予定。



