JR東海は、2023年度重点施策と関連設備投資について発表した。
コロナ禍で加速した働き方の変化、労働力人口の減少等、取り巻く環境が大きく変化していることを踏まえ、ICT等の最新の技術を活用して効率的な業務執行体制を構築する「業務改革」と新しい発想による「収益の拡大」の取組みを本格化していく。また、安全に仕事を進める力、より良いサービスを提供する力、効率的に仕事をする力の三つの力に磨きをかけ、弛むことなく中長期的な観点から各種施策を推進していく。
■設備投資額
連結:6,160億円、単体:5,860億円
※中央新幹線3,400億円 ※中央新幹線を除いた設備投資額(単体)2,460億円、うち安全関連投資1,930億円
■主な内容
●安全安定輸送の確保
・東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策として脱線防止ガードの全線への敷設を進める。
・東海道新幹線の大規模改修工事について、技術開発成果を導入し、施工方法を改善するなど、コストダウンを図る。
・訓練の実施やハード、ソフトの両面から車内のセキュリティ対策に取り組む。
▲脱線防止ガード(プレスリリースより)
▲不審者対応訓練(プレスリリースより)
●輸送サービスの充実
・N700Sの追加投入を進め、既存のN700AタイプをN700Sの一部機能を追加する改造工事を進める。
・「しなの」「ひだ」等の特急列車は、需要に合わせ増結・増発を行うほか、ハイブリッド方式のHC85系を7月に「南紀」での営業運転を開始する。
・通勤型電車315系の追加投入を進める。
※2023年度 N700S:4編成、HC85系:14両、315系:120両導入予定
(プレスリリースより)
・新幹線全駅に可動柵整備に向けて調査設計に取り組むほか、自動運転システム(GoA2)の導入に向けた開発を進める。
・車外カメラを設置した車両を用いて安全確認の技術検証を実施するとともに、ドアの挟まれ等を検知する画像認識技術活用の検討を進める。
(プレスリリースより)
●超電導リニアの技術開発によるコストダウンおよびブラッシュアップ
・高温超電導磁石について営業車両への投入を前提に一層のコストダウンを進めるとともに、安定運用に向けたさらなる検証を実施する。
・ICT等の最新技術を活用した効率的な運営体制の実現に向けた開発、実証等を進める。
・改良型試験車による超電導リニアの体験乗車を実施する。
(プレスリリースより)