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BOOK REVIEW 空鉄 空撮鉄道旅情〔天夢人〕

2022.07.22

 レイル・マガジンでの100回を超える長期連載だった『今日も空鉄』著者にして、現代での鉄道空撮の第一人者である吉永陽一さんによる書き下ろしの新刊。「眺めるだけでも楽しい、時空を超えた鉄道旅」というキーワードで構成されており、読者にもあたかも空からその地へ旅しているような爽快感を与える一冊である。決して写真集という作りではなく、案外文章のボリュームも多いが、著者一流の軽妙な文章がまた楽しい旅のイメージを醸し出している。

 本来は普通の人は見ることができない極めてレアな角度から様々な鉄道を写真として切り取っているのだが、そこに「旅情」を感じさせるのが上手いところ。同じ角度から見ることはできなくても、そこの地面に立ってみたい、列車に乗ってみたいと思わせるには十分である。

 題材は、四季折々の新幹線、北から南までのローカル線、全国の蒸気機関車たち、札沼線や夕張支線といった廃止路線のその直前の情景、もはや懐かしい「北斗星」「トワイライトエクスプレス」、古墳や城跡と鉄道との絡み、そして海外でも敢行した空撮まで、とても幅広く、どこから読んでも楽しめることだろう。

■吉永陽一 著
■発行:天夢人/発売:山と渓谷社

■B5判/144ページ/2,420円(税込)

天夢人WEBサイト

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