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【JR東海】世界のSHINKANSEN、世界初の技術で架線電圧を維持!

2022.06.17

 東海道新幹線では、2020年3月から「のぞみ12本ダイヤ」を実現している。この際、高密度なダイヤで列車を運行する中で、架線電圧が低下し列車の安定的な運行に必要な電圧が維持できなくなることを防ぐため、地上の電力設備を増強し、架線電圧を維持するようにしてきた。

 このたびJR東海では、これまで地上装置で実現してきた架線電圧を維持する機能を、N700Sに搭載する主変換装置の改良により、地上側ではなく、車両側で実現する技術を開発した。これにより、地上の電力設備の削減やCO2排出量の削減が可能となる。

‘22.4.19 東海道新幹線 静岡~掛川 P:大谷真弘
鉄道投稿情報局より)

架線電圧の維持に関するこれまでの取り組み
 従来は、架線の電圧低下を抑制するために、変電所の増設に加えて電力補償装置の導入など、地上の電力設備の増強を進めてきた。

▲現在、電力補償装置を東海道新幹線の沿線に21台設置している。(プレスリリースより)

(プレスリリースより)

N700Sに搭載する新機能
 N700S車両に搭載する主変換装置のソフトウェアを改良することで、これまで地上の電力補償装置などで実現してきた架線の電圧低下を抑制する機能を車両で実現し、架線電圧を維持することができる機能を開発した。

▲既存の主変換装置のソフトウェアを改良することで、新機能が実現。(プレスリリースより)

 具体的には、列車本数が増えるにつれ架線の電流の位相が遅れ、電圧が低下する現象について、ソフトウェアの改良により電流の位相の遅れを小さくし、電圧の低下を抑制する機能を搭載するというもの。
 →車両で架線電圧を維持する仕組みは、世界初の技術!

(プレスリリースより)

■N700Sに搭載する新機能の効果
 架線電圧を維持する機能を車両で実現することにより、一部の変電所や電力補償装置を削減することができる。東海道新幹線の全編成に導入が完了した際には、約1割の変電所と約半数の電力補償装置が削減できる見込み。
 この仕組みの導入により、年間約2千万 kWh の電気使用量を低減でき、これによって約3億円の電気料金と約1万トンに相当するCO2排出量を削減できる見込み。

今後の開発スケジュール
 N700Sの一部の営業車に順次本機能を搭載して、2023年2月まで機能確認試験を行う。
 試験の結果を確認した後に、他のN700Sにも本機能の搭載を拡大する予定。

詳しくはこちら
JR東海WEBサイト

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